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水揮の脚に跨り、押さえ込む形で自身の足を絡ませた。
彼女の肋骨辺りの台に手を着いて、形を変える。
出来た凹みに布切れを通し、反対側から引っ張って水揮の上で交差する。
解構の手から水滴が、白い腹へと零れ落ちた。
「焦凍くん」
静かに息を吐いて、近づいた轟を横目に映す。
「俺が合図したら、この布、台ごと凍らせてくんない？本気で頼むわ」
「…分かった」
「爆豪も、全体重乗っけるくらいで頼むぜ？」
「ああ…」
ギュッと押さえる力が増したのを見て、解構は水揮を双眼に映す。
渇いた唇をひと舐めすると、両手と足に力を込めた。
「気張れよ水揮ぃっ！」
同時に交差された布が水揮をキツく締めつける。
「ウ"ァッ！！〜ッ！ィッア"ッ！ふ、んンッ…！」痛みに声を漏らしながら、押さえられた四肢を振り解こうと暴れる水揮に、彼らの表情が苦しみに歪んだ。
手早く固結びをして、ポーチから小瓶を取り出す。
「焦凍くん！！」
「ああっ」
冷気が漂い、巻き付けた布が一瞬で凍る。
小瓶の蓋を開け、患部にそれをかける。
フーッフーッと息を乱す水揮から降りて、解構は切島に彼女の足を押さえるように指示を出した。
「サンキュー焦凍くん。切島と爆豪は悪ぃけどそのまんま押さえといて」
了承する二人に頷き、解構は改めて患部を診る。
「ッチ、俺はゾンビ系苦手なんだっつーの」
ゾンビ映画の、顔や身体が抉れた人々を思い出し、腰のポーチを外す。
轟を呼び、隣でポーチを持っていて欲しいと告げた。
了承する轟に、患部に目を向けたまま、解構がボソリと呟く。
「悪いな。アレだったら目ぇ閉じといて良いから」
「いや…構わねぇよ…」
「解構…その…空無、は……」
切島が遠慮を含んで問いかける。
それに一瞥を寄越して、解構はポーチ漁りながら淡々と言葉を紡いだ。
「脇腹の肉、つっても余計なモン無ぇんだけど、抉られてる。
ぶっちぎったっつーかたぶん、ぶち抜かれた感じ。
固まった血が所々にあるから、一旦は止血したんだろーけど…刺傷がある。しかも臓器に。
この跡の付き方は十中八九コイツの武器によるものだ。おそらく自分でぶっ刺したんだろ…っれ？あ、焦凍くんそこの荷物から白いケース取って」
患部を診る彼の表情からは、何の感情も読み取れない。
喋りながらも、解構は手馴れたようにポーチから小瓶を取り出しては、中身を容器に入れていく。
空になった最後の小瓶を元の場所に戻して、轟へと指示を飛ばした。
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作者名：ソーカ | 作成日時：2018年5月22日 23時
