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目的地に到着し、生徒は某テーマパークのような出で立ちの空間に感嘆の声を上げる。
そんな反応を尻目に、相澤は待機していた後輩に近付く。
辺りを見渡す相澤に、水揮も同じようにしながら相澤の後に続いた。
「13号、オールマイトはどうした？此処で待ち合わせるはずだが…」
「もしかして、仮眠室…？」
「ええ」
水揮の呟きに13号は頷きを見せる。
どういうことだと眉を寄せる相澤へ、13号がそろりと３本指を立てた。
「制限ギリギリまで活動したみたいで…そこで休んでます」
「不合理の極みだなオイ」
潜めた声に、ため息が混じる。
そんな尤もな相澤の言葉に、水揮の顔は自然と苦笑になった。
「まぁ、一応念のためのモノですし…」
相澤を宥めるように「ね、大目に…」と水揮の言葉に、彼から鋭い視線が返される。
お前は甘い、そうひしひしと伝わる視線を受けて、水揮の言葉は自然と引っ込んだ。
この二人は、本当に合わない。
どちらの気持ちも理解出来るし、人としても尊敬する二人である。
本音は、もう少し仲良くしてほしい。
別に仲が悪いわけでは、決してないわけだが。
お互いに譲らないものが多いのだろう。道のりは遠い。
「…私、相さんが好きです」
「…なんだ急に…」
「オールさんも好きです」
「……知ってる」
そこで、13号の生徒への挨拶が終わる。
隣合って、柱に背中を預けて行われた会話。
そこでお互いの視線が交わることはなかったが、それでも水揮の言わんとしている事を相澤は理解していたし、水揮も当然に。
予想通りの相澤の返事に、水揮は苦笑を零した。
歓声と拍手を送る生徒達に、相澤は柱から背を離す。
それを横目に水揮は敷地内を見渡した。
「んじゃぁ、まず…」
相澤の言葉はそれ以降続かなかった。
突如乱れる照明の光。
異常な感覚を察知するのと、水揮の瞳がソレを捉えたのは同時だった。
「イレイザー・ヘッド！」
先日も目にした黒い渦。
そこから出てきた者達に、振り向いた相澤は目を見張った。
「ひとかたまりになって動くな！」生徒達へ指示を飛ばす相澤へ、水揮は近付く。
「13号、生徒を守れ！空無は13号の援護！」
「…解りました」
その指示はつまり、相澤のみが応戦することを意味していた。
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作者名：ソーカ | 作成日時：2018年5月22日 23時
