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「…オレのこと、嫌いになった…？」
泣きそうな顔を私の掌に寄せて、伺うように見つめるオッドアイに、否定しようと開けた口が半端に止まる。
いつもなら『嫌いじゃない』と、『大好きだ』と、そう言って。
でも、この時ふと思った。
この子がもし、今のまま大人になってしまったら…？
と。
この子は、幸せになれるの？
焦凍のこの感情は、客観的に見ても、明らかにおかしい。
家族愛なんかじゃない。それは焦凍自身も否定していた。
これは、恋愛感情なんだと。
母や冬美ちゃんに向けるモノとは違うのだと。
「しょうと…」
違うのなら、尚更いけない。
焦凍のこの感情は、私に向けるべきものじゃない。
辞めさせなきゃ。
これは、異常だ。
「っあのね…」
「……」
ちゃんと言わなきゃ。
そう視線を上げた時、今にも溢れ出しそうな涙をその目に溜めて、焦凍は私の言葉を待っていた。
その顔を目にした瞬間、喉まで出かかった言葉が、グッと詰まる。
今し方意味を無くして、半端に開いた状態の口が自然と閉じてしまって。
《おねぇちゃッ…柊焔お姉ちゃんッ》
《ぼくッ…僕ッお母さんに嫌われたのっ…？》
《嫌いになったからっ…お母さん、あんなことしたのっ…？》
《この痕見たら、もっと嫌われちゃうのかな…っ》
ユラユラ揺れるその瞳に宿る感情が、想いが、
《オレは…お母さんにとって、生まれてこない方が良かったんだ…ッ》
記憶が。
私の決意を簡単にへし折って。
《柊焔お姉ちゃんッ...お姉ちゃんだけはっ...》
《柊焔姉ちゃん…姉ちゃんは…》
「…私は、ずっと一緒だよ」
簡単に折れてしまったその想いとは、正反対の想いが、今度は何の迷いもなく零れ出る。
「離れないよ。大丈夫だよ、ずっとそばにいるから…」
あの日も、あの日も…いつだって同じ言葉を口にした。
だってそれしか、それぐらいしか、私にはできない。
この子に求められる言葉を。
少しでも安心するなら、ずっと隣に。
でないともう…
「だから、ね？泣かないで…」
きっともう、あっという間に壊れてしまうから。
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ソーカ(プロフ) - サキさん» 初コメありがとうございます！(感涙)ソーカにはもったいないお言葉でございます<(_ _)>楽しんで頂けて幸いです(*´ω｀*)妄想が膨らみ次第の更新なので不定期になってしまいますが、今後ともよろしくお願い致します！ (2018年5月21日 21時) (
レス) id: ba8d561192 (このIDを非表示/違反報告)
サキ - はじめまして!題名からもう神ってるなと思い読んでみたら神な作品でした。これからも楽しく読んでいこうと思います!応援してますよ〜! (2018年5月21日 15時) (レス) id: 69ece300b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソーカ | 作成日時：2018年3月12日 10時
