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二宮も椅子から立ち上がると櫻井の元へ向かい、小さく謝って最後の1つを拾い上げて櫻井に渡した。
「翔さん、大丈夫ですか？」
未だ震える手を握りしめる櫻井に松本が問いかけた。
「大丈夫だよ。ありがとう」
無理に笑う櫻井は立ち上がり、二宮からもカルテを受け取りながらお礼を言った。
「松潤、SCUの神田さんの様子みにいこう」
それは不自然だったかもしれないが、櫻井の精一杯だ。松本は櫻井からカルテを半分預かり、小さく返事をすると、櫻井には気がつかれない程度で大野を睨みその場を後にした。
静かに閉まる扉を大野と二宮は見つめ、しっかり閉まったことを確認した二宮が口を開いた。
「俺も不注意でした……が、貴方の望んだ結果がこれですか？……、貴方、翔さんに告白した場合成功することを考えていたんじゃないですか？」
その問いに黙る大野を見ながら
「自分が翔さんの将来にいないとか……、それは翔さんが貴方の告白を受けた場合の未来ですよね？翔さんが、貴方の告白を受けなければ、そんなことにもならないんですから……」
いつの間にか大野を責める口調へと変わっていた。
「気がついてたんじゃないですか？」
何がとは言わない。それでも大野には伝わっていた。
「肯定も否定もしないつもりかもしれませんが、無言は肯定ととります」
冷めた口調の二宮は再度大野を睨み
「確かに貴方では翔さんは幸せにできませんね。翔さんの気持ちを知りながら、あの人の幸せがどうのこうのと逃げてる貴方には無理です。それなら、真っ向から勝負に出ているJの方が幸せにしてくれそうですから」
それだけ言って、部屋を出ようとする二宮を大野は呼び止めた。
「男……同士だ。どうしてニノはそれでも良いって言えるの？……、色々なしがらみだってあるはずで、本来無くてもいいはずの困難があるのに」
「………、貴方よりも翔さんの方がそんなのわかってるんですよ？それでも、翔さんは貴方が好きで………。翔さんは言ってました。自分は男だから大野さんが好きなんじゃない。大野さんが大野さんだから好きなんだって」
二宮のその台詞には、世間体で固められて生きてきた櫻井の覚悟が込められている気がして、大野は目を潤ませた。
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misho(プロフ) - はじめまして Ｓ君大好きmishoと申します。大事に・・も楽しく読ませて頂きましたがこちらも面白く読ませて頂いてます。設定や人物像が私好みでこの先ハッピーエンドなら最高です。これからも更新楽しみに待っています。 (2017年11月18日 7時) (
レス) id: 1ce8ea4b4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃舞 | 作成日時：2017年10月12日 21時
