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誰も来ないような非常階段の踊り場まで来た櫻井は松本の手を離すと、改めて松本の顔を見た。
「振られるんですかね？」
黙ったままの櫻井に松本が静かに声をかける。
櫻井が驚いた表情で松本を見ると、松本は優しく微笑んで
「返事は後でいいと言ったのに…」
寂しそうに呟いた。
「あの………後でいいとは言われたけど、その……」
あれだけ練習したのに、と櫻井は言い澱みながら自分に舌打ちしたい気分だった。
「うん。翔さんはうやむやにしない人だと思ってた」
優しい松本の目線に気がついた櫻井は
「気持ちは嬉しいんだ。でも……、俺は好きな人がいる…」
正直に話していた。
「その気持ちは大野さんに言わないの？」
「言って迷惑がられて、距離を置かれるよりもいい。だから…、言えない」
「翔さんは、俺が告白した時気持ち悪いと思った？距離を置きたいって……」
櫻井が首を振る。
「だったら大野さんも大丈夫なんじゃない？」
「大野さんは………って、待って！俺…好きな人は……、あの」
再び櫻井が言い淀む。
「知ってるよ。……知ってるは違うかな…、気がついたんだ。好きな人の好きな人だからね」
その松本の言葉と表情に隠せないと悟った櫻井は観念して認めてしまった。
「松潤はすごいよ……、俺にはそんな度胸も勇気もない」
「俺もそうだよ。でも、言わないで後悔するより、言って後悔した方が前に進めるからね」
櫻井はそう思うことができる松本はやはり強いと思う。
「大野さんには言えない……けど……、俺も少しでも松潤を見習いたいと思う。そう思えるのは、松潤のお陰だ。…、勝手なお願いだけど、これからも変わらない関係でありたいって思う」
「もちろん…。それをお願いしないといけないのは、俺の方だと思ってた」
そういう優しいところが、松本が櫻井を好きになったところなのだ。
ホッとした様子の櫻井が先に進み出した後を松本が追いながら
「ありがとう」
とだけ呟いたのだった。
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misho(プロフ) - はじめまして Ｓ君大好きmishoと申します。大事に・・も楽しく読ませて頂きましたがこちらも面白く読ませて頂いてます。設定や人物像が私好みでこの先ハッピーエンドなら最高です。これからも更新楽しみに待っています。 (2017年11月18日 7時) (
レス) id: 1ce8ea4b4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃舞 | 作成日時：2017年10月12日 21時
