To you

10日目の部屋づくり ページ10

ちびすけと暮らし始めて10日目。

今日は引越しの後片付けだ。
片っ端からダンボールを開けて、部屋を仕上げていく。


幾分か走り回れるスペースはできたはずだが、ちびすけは相変わらずソファーの上でブランケットにくるまったまま丸まっている。

本当に大人しい奴だな。




HS「ジフナ〜、これここに置いていい？」
WZ「おー」


HS「これ俺のじゃねえな……なあこれジフニのー？」
WZ「いやお前のだろ、俺のじゃない」
HS「え、マジ？こんなの入れたっけ？」




なんで自分の荷物を覚えてないんだ。

だけどその時、にゃごにゃごとあまり聞いたことのないような鳴き声が聞こえてきた。



WZ「おーおー、どうした？」
HS「なんかすげえ鳴いてる」
WZ「大丈夫か？おいで」



俺達が声をかけない限り、滅多に鳴かないはずのちびすけ。

両手を広げれば一目散にこっちへ走ってきて、腕の中に飛び込んでくる。



HS「何か怖いもんでもあったかな？」
WZ「それならどう見てもアレだろ、お前のタイ土産のお面だろ」
HS「えーっ！？めっちゃいいじゃん、魔除けだよ！？」
WZ「いやリビングにバロンは不気味すぎだろ、暗闇で見たら俺でも一瞬ビビるわ」
HS「えええ……わかったよ、俺の部屋に飾るよ……」
WZ「この部屋のインテリアには合わないからそうして」



ちびすけが青い目をかっ開いて見る視線の先にはバロンのお面があって、やっぱりあのお面だろ原因は。


チビのストレスになるものはできる限り避けておきたいからな。

こいつが丸まりながらのんびり暮らせる部屋にしないと。

11日目の大きな同類→←9日目のお引越し

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す