To you

3日目の猫専門家 ページ6

ちびすけがやって来て3日が経った。


こいつのことでわかったのは、首に謎の傷跡が残っていること。

もう塞がってるみたいだけど、この小さい体に対してあまりにも大きすぎる傷跡がある。
何の傷だろう。


そしてもう一つわかったのは、かなり賢い猫だということ。



WZ 「こっち来る？」



ベッドの上で毛布に包まるチビに声をかければ、そのまま毛布を咥えて俺の膝に乗ってくる。
小さな体を包み直せば、ちびすけは安心したように丸まった。

躾なんてしてないのに、なぜかこいつは聞き分けがいい。
大人しいのは助かるけど、ずっとこのままじゃ可哀想だ。



WN「失礼しまーす」



その時ガチャリとドアの開く音がして、驚いたチビがビクッと飛び上がった。



WZ「おー、ウォヌ」
WN「おはよ」



今日はウォヌが来ることになっていたけど、もうそんな時間か。
俺の膝の上からちびすけが恐る恐る顔を覗かせてウォヌを見ている。



WN「わ、マジでいる。ジフニ、もう懐かれたんだ」
WZ「そうか？呼ぶと来るよ」



でもこいつ怖がりだからな、ウォヌのこと怖がらなきゃいいけど。

だけど心配とは裏腹に、ちびすけはウォヌに向かってパタパタと手を伸ばし始めた。
お、意外と大丈夫か？



WN「わ、人懐っこいね」
WZ「そうなの？」
WN「あと綺麗な毛並みだね、ジフニみたいに真っ白じゃん」
WZ「いや流石にここまで白くないけど？ㅋㅋ」



ちびすけに指を伸ばして自分の匂いを嗅がせ、頭を撫でるウォヌ。

ああ、そうやって触るもんなのか。
さすがだ、手つきの慣れ具合が違う。



WN「キャットフード食べないって？」
WZ「あぁ、昨日までは。でも今朝あげたやつは食えたんだよ、だいぶ頑張ってたっぽいけど」
WN「そっか。でもお米とササミは食べるんでしょ、食べられるものあるならいいよ」



こいつはどうも偏食家らしい。
俺も味には厳しいというかこだわりがある方だから、ちょっと似てる気がする。

食えるもんは、これから一緒にゆっくり探すさ。

･→←･

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す