To you

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猫を飼ったことなんてなかったけれど、とりあえず急いで近くの動物病院へ駆け込んだ。

ちびすけを見てもらうついでに猫を飼うノウハウを聞いて、全て頭に叩き込む。



その帰りにホームセンターに寄って猫用のトイレとベッドを飼い、向かうは宇宙工場。

宿舎は無理だから、ひとまず作業室にこのチビを置いておくしかない。
機材を壊されるかもしれないから長くは置いてやれないけど。



WZ 「これ、お前のベッド。こっちはトイレ。……あー、トイレとか教えなきゃならねえのか。どうやって教えんだ？」



言葉が通じないって難しい。

トイレを教えるってよく聞くけど、なに？
どうやって？マジでわからん。



『みぃ〜！』
WZ「ん？」



その時聞こえてきた小さな声。

だけど声の主は、なぜか自分の声に驚いたようにビクッと体を震わせていた。
ははは、変なの。


するとどうだろう。

ちびすけはベッドとトイレをてこてこと行き来し始めた。
そして何かを訴えるように俺の顔をじっと見つめてくる。

……え、理解した？
いや、まさかな。



WZ 「おお賢いじゃん、ちびすけ」



とりあえず褒めておく。
猫の撫で方なんてよく分からないから、とりあえず背中を撫でておいた。

まあ、機材にさえ近づけなきゃ大丈夫だろう。



WZ「……いつまでここに置けるかわかんねえけど。お前の元飼い主みたいに捨てたりはしねえから、安心しろよ」



しばらくはここに泊まり込みだな。

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