To you

1ヶ月目の音色 ページ20

ちびすけとの生活は今日で1ヶ月。

この間注文したものがやっと届いた。
おいでと呼べば、いつものように走ってやってきて俺の膝に飛び乗るちびすけ。



WZ「ちょっとごめんな」



きゅ、とちびすけの首に巻き付ける。
俺の指先くらいのサイズの、小さな銀色の鈴。

実は特注で、「WZ」の文字を彫ってある。



WZ「ああ、似合う似合う。いいじゃん」



ちびすけ自体が小さいから、一番小さいサイズの鈴にしたんだけれど正解だったらしい。
それほど嫌がってもいないようだ。

ちびすけが動く度に、ちりん、と可愛らしい音が鳴る。



WZ「……毎日は無理だけど、なるべく外にも連れて行ってやるからな。ずっと家の中に閉じ込めてて悪いな」



頭を撫でてやれば、『みぃ』と小さく鳴くちびすけ。

だけどいつもみたいにゴロゴロと喉を鳴らすことなく、じっと俺を見上げている。




WZ「……だから、前にも言ったけど。頼むから、勝手にいなくならないでくれよ」




ここにいてくれるのが一番だけど、もしまたお前がいなくなった時。

この音がしなくなれば、すぐに気づける。
もっと早く、お前を探せる。


どこにいても、お前を見つけられるように。

小さな太陽のお前がいなきゃ、きっと俺はもう心から笑えないから。



小さな青い瞳が、大きく揺れたように見えた。

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