To you

･ ページ18

JN「ウジ〜、ただいま〜」



ジュニと一緒に戻ってきたちびすけは、朝と全く同じ姿。




WZ「Aっ……！！」




毛布で包むのも忘れて、その小さな体をぎゅっと抱きしめる。
潰れてしまわないように、優しく。




WZ「……何やってんだよ、ばか……｣



ああ、温かい。
よかった、本当に無事でよかった。



JN「……お散歩に行ってたんだよね。ね？」



まるでジュニの言葉に返事をしているように、『みゃお』と鳴くちびすけ。

どこに行ってたんだよ、心配しただろ馬鹿。
そんな言葉が喉元まで上がってきたのにそこで詰まって、「ばか」としか声にならなかった。



JN「……ウジね、ずっと外で探してたんだって。Aちゃんのことすっごく心配してたんだよ。お外に出たい気持ちもわかるけど……急にいなくなっちゃダメだよ。ウジもみんなも、びっくりして心配しちゃうからね」



視界が潤んでいるのを、今度は雪のせいにはできない。




WZ「外出たいならいくらでも連れてってやる。だから……頼むから、勝手にいなくなるな……」




腕の中で俺をじっと見つめてくるちびすけは、分かっているのかいないのか。



……何がこいつだけじゃ生きてない、だ。


こいつがいないとダメなのは俺の方じゃないか。

25日目の好物→←22日目の大脱走

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す