3日目の猫専門家 ページ6
猫になって3日が経った。
頭痛が治っただけでそれ以外に体に変化はなし。
人間に戻る気配もない。
わかったことは、主さんは恐らく音楽関係の仕事をしているということだけ。
主さんの名前は未だに知らないし、そもそもなぜ自分が猫になってしまったのかもわからない。
猫の自分はもう受け入れつつあるけど。
……あ、あともう一つ。
「こっち来る？」
ぽんぽんと自分の膝を叩く主さん。
ブランケットを加えてぴょんとその膝に飛び乗った。
主さんはそのまま、またヘッドホンを付けて作業を再開する。
もう一つわかったのは、主さんは私を邪険にしないこと。
走り回ると即刻回収されてベッドに戻されるけど、大人しく丸まってれば何も言われない。
しかもこうして膝に乗せてくれる。
この人は、間違いなく優しい人だ。
それに主さんはこの3日間ほぼ私に付きっきり。
買い物行ってもすぐ戻ってくる。
お仕事は大丈夫なのかな、なんて心配をし始める余裕も出てくる。
そんな日のことだった。
？「失礼しまーす」
突然ガチャリとドアが開いて聞こえてきた低い声に、びっくりして飛び上がった。
「おー、ウォヌ」
WN「おはよ」
……ウォヌ？
もしかして、この間主さんが言ってた人？
すごく塩顔で、韓流イケメンって感じの人だ。
あと、すごく大きい。
主さんより背が高そう、巨人だ。
WN「わ、マジでいる。ジフニ、もう懐かれたんだ」
WZ「そうか？呼ぶと来るよ」
……ジフニ？
もしかして、「ジフニ」が主さんの名前！？
ウォヌさん教えて！主さんの名前教えて！
WN「わ、人懐っこいね」
WZ「そうなの？」
WN「あと綺麗な毛並みだね、ジフニみたいに真っ白じゃん」
WZ「いや流石にここまで白くないけど？ㅋㅋ」
ウォヌさんに手を伸ばしてもぞもぞと動けば、人差し指で軽く鼻先に触れられる。
そして優しく後頭部と背中を撫でられた。
あ、気持ちいい。
多分この人、猫飼ってる人だ。
WN「キャットフード食べないって？」
WZ「あぁ、昨日までは。でも今朝あげたやつは食えたんだよ、だいぶ頑張ってたっぽいけど」
WN「そっか。でもお米とササミは食べるんでしょ、食べられるものあるならいいよ」
はい、実はキャットフードデビューしました。
優しい主さんがいろんな種類のキャットフードを買ってきてくれて、昨日から少しずつ味見をさせられている。
それで今朝食べたのが、唯一希望のある味だった。
順調に猫化が進んでる。
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来栖(プロフ) - ayakaさん» ayakaさん、コメントありがとうございます！のんびり更新していきますのでよろしくお願いします🥰 (11月22日 20時) (
レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
ayaka(プロフ) - 早速読ませて頂きました！！更新楽しみにしてます！！ (11月22日 19時) (レス) id: 86f99d9947 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：来栖
| 作成日時：2023年11月22日 19時
