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ジュンさんに連れてこられたのは、ジフンさんが仕事をしている部屋。
いつも私を連れて行ってくれる、機材が沢山あるあの部屋だ。
JN「ウジ〜、ただいま〜」
のんびりと声をかけながらドアを開けるジュンさん。
その瞬間、
WZ「 ─── Aっ……!!」
聞いたことのない大声に、体がビリビリと痺れる。
こうしてちゃんと名前を呼ばれるのは、これが2回目だった。
1回目は、ジフンさんに出会った時。
……これはちょっとヤバイかもしれない。
まずい、相当怒られるかも、
WZ「……何やってんだよ、ばか……」
だけど降ってきたのは静かな、そして震えた声。
ジュンさんの腕の中からそっと抱き上げられて、ぎゅうっと抱きしめられる。
彼の鼓動が聞こえてくるほどに。
ジフンさんの手はいつもと違って冷え切っていて、もしかしたらさっきまでずっと外にいたのかもしれない。
JN「……お散歩に行ってたんだよね。ね?」
その優しい声に返事をすれば、「ばか」ともう一度強くジフンさんに抱きしめられる。
JN「……ウジね、ずっと外で探してたんだって。Aちゃんのことすっごく心配してたんだよ。お外に出たい気持ちもわかるけど……急にいなくなっちゃダメだよ。ウジもみんなも、びっくりして心配しちゃうからね」
ぽたり、と水滴が落ちてきた。
降ってくるのは、ジュンさんの声だけじゃないみたい。
私に話しかけながら、ジュンさんはジフンさんの頬を服の袖で拭っている。
声が出なくなるくらいには、その光景が衝撃だった。
……ああ、私はなんて酷いことを。
ジフンさんを、泣かせてしまったのか。
WZ「外出たいならいくらでも連れてってやる。だから……頼むから、勝手にいなくなるな……」
もう、こんなことしちゃダメだ。
この人を泣かせちゃダメだ。
だけど……
スングァンさんみたいに、私を待っててくれる人もいる。
私は、どうすればいいんだろう。
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来栖(プロフ) - ayakaさん» ayakaさん、コメントありがとうございます!のんびり更新していきますのでよろしくお願いします🥰 (11月22日 20時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
ayaka(プロフ) - 早速読ませて頂きました!!更新楽しみにしてます!! (11月22日 19時) (レス) id: 86f99d9947 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来栖 | 作成日時:2023年11月22日 19時