俺達のサジャ Ⅲ (ページ35)

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ジョシュアの記憶 Ⅲ ページ35

『 ─── オッパ。オッパ、そろそろ起きてください』

優しい声が降ってきて、俺はゆっくりと目を開ける。

……光が眩しい。
どうやら結構ガッツリ眠ってしまっていたらしく、時計を見れば2時間程が経っていた。

JS「うわ、ごめん。重かったでしょ、足痺れてない？」
『全然大丈夫ですよ。起こしちゃってすみません、体痛めたらアレかなって思って』

寝起きでぼんやりとしていた脳内が徐々に覚醒していく。

『少しは疲れ取れました？』
JS「うん、だいぶ。本当にありがとう」
『いえいえ、それならよかったです』

シュアオッパはやっぱり寝起きが良いですね、なんて言いながら笑っているA。

なんだか久しぶりにゆっくり眠れた気がする。

『あの、シュアオッパ』
JS「ん？」
『一人で抱え込まないでくださいね』

冷めたココアを飲もうとした手を、思わず止めた。

『シュアオッパ、ずっと眉間に皺寄ってました。二人がお休みしてて、そのプレッシャーがかかっているのは分かります。年長者がシュアオッパだけになってしまったので、仕方のないことなのかもしれませんが……でも、全部一人で背負う必要は無いと思うんです』

驚いた。
まさか彼女に、こんなことを言われる日がくるなんて。

『……シュアオッパが教えてくれたんですよ、抱え込んじゃダメだって』
JS「……俺、今何か喋ってた？」
『いえ。でも顔に書いてありました』

まるで心の中を見透かされたようで、思わず苦笑いを零す。
そんなに余裕が無くなってたのか、俺は。

Aの色白な手が、俺の手に重なった。

『シュアオッパが背負っているもの、私にも分けてください』

彼女が俺の目を真っ直ぐ見つめてそう告げるのと、俺が彼女の体を抱き寄せたのはほぼ同時だった。

『シュアオッパが私の知らない所で苦しんでいるのは、私も悲しいし苦しいです』
JS「……うん、ごめん。ありがとう、A」

あの時、俺が彼女に掛けた言葉が返ってきた。
ああ、この子も大人になったんだなって。