俺達のサジャ Ⅲ (ページ26)

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ジョシュアの記憶 Ⅱ ページ26

俺が韓国にやって来たのは2013年の2月。

事務所の関係者の方からスカウトを受けて、アメリカを離れてこの世界に飛び込んだ。

俺が所属するのは男女混合のグループだと聞いていたけど、その実態を知って驚いた。
混合と言っても完全に男所帯で、その中に女の子は一人だけ。
正直、違和感を抱かなかったと言ったら嘘になる。

だけど、韓国にやって来たばかりの俺に一番最初に声をかけてくれたのがAだった。
どうやらAは英語を話せるらしく、韓国語は簡単な読み書きしかできない俺にとってはまさに救世主のような存在となった。

そんな彼女を表す言葉は、"圧倒的才能" だろう。
特に歌がとんでもない。
アマチュアとしてここにいるのがもったいないくらいの歌唱力だ。

そして、俺は彼女に対して不思議な感情を抱く。
顔を合わせた時から、何故か彼女だけは初めて会った気がしなかったのだ。
不思議な感情とは、謎の既視感だった。

JS「ねえ、前に俺とどこかで会ったことある？」

彼女にそんな質問を投げかけたのは、俺が入所して1ヶ月程が経った時。
徐々に自分だけで周りとコミニュケーションを取れるようになってきた頃のことだ。

『え、ジスシにですか？無いと思いますけど……』
JS「……そっか、そうだよね。ごめん、ありがとう」

最近暖かくなってきているけど、いつも長袖で練習して汗だくになっているA。
彼女は俺を見上げて不思議そうに首を傾げていた。

やっぱり、俺の気のせいなのかな。
もしかしたらあれかもしれない、世の中には自分と似た顔の人が3人いるってやつ。
この子に似た子をどこかで見かけたのかな。

SC「おい、ナンパすんなよ」
JS「え？いや、そんなんじゃないって」

俺達のやり取りを聞いていたらしく、スンチョリが苦笑いしながら間に入ってきた。

別に口説いていた訳じゃないんだけど、確かに傍から見れば口説き文句の定番みたいなものを言ってしまったかもしれない。