俺達のサジャ Ⅲ (ページ23)

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『シュアオッパ、頭痛いですよね？』

彼女からの指摘に、思わず苦笑いが零れる。
俺は感情があまり表に出ない方だと思っていたけど、A相手ではそれが全く通用しない。
驚くほど心の中を見抜かれる。

『また肩に力入ってますよ。肩揉みましょうか』
JS「いや、大丈夫だよ。女の子にそんなことさせられない」
『あはは、何を今さら。伊達に紅一点やってませんよ』

マグカップをテーブルに置いて、私に任せなさいとばかりに腕を捲っているA。

JS「さすがに申し訳ないよ」
『そんな遠慮しないでください。はい、ちょっとマグカップ置いてくださいね』

Aは基本的には優しいけれど、結構強引な所もある。
でも、それは嫌な強引さじゃないから不思議だ。

俺も結構筋肉はある方だから肩は揉み辛いはずなのに、Aの肩揉みは案外力強くて気持ちいい。

JS「上手いね」
『そうでしょう？私、いつもジュニとウォヌにやってるんです』
JS「ああ、そうだったんだ」
『お互いにやり合ってるんですよ。ジュニは凄く優しく丁寧にやってくれるんですけどね、ウォヌがマジで容赦ないんですアイツ。腕捥ぐ勢いできますから』
JS「あはは、想像つく」
『この間なんて肩揉みからいつの間にか関節技決められたんです。チベスナみたいな無表情でバチバチに決めてきやがりましてね、本当信じらんないアイツ』
JS「あはは、仲良いねぇ相変わらず」
『……まあ、悪くはないです』

Aがメンバーの中で "アイツ" 呼びをするのはウォヌだけだ。
チャニへの愛が止まらない二人はしょっちゅう言い合いをしているけれど、俺には二人がどこかそのやり取りを楽しんでいる風に見えている。
ジュンとAはもう見たまま仲良しだけど、ウォヌとAも相当深い絆で結ばれているんだと思う。

JS「ありがとう、だいぶ楽になったよ」
『そうですか？じゃあ次はこっちです』
JS「……え？」

もう大丈夫だと告げればAは俺の隣に戻ってきて、ぽんぽんと自分の膝を叩いた。
その意図がわからず首を傾げると、Aは小さく笑う。

『横になってください』
JS「………ん？」

……いやいや。
いやいやいやいや。

さすがにそれはできない。
色々ダメな気がする。