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みんなが呆然と立ちすくむ中、ジュニだけがガクリと力が抜けたように膝をついた。
すぐにウォヌが駆け寄って背中を摩っているけれど、ジュニの大きな瞳は信じられないとでも言いたげに見開かれていて、スマホを握り締める手はカタカタと小刻みに震えていて。
闇に吸い込まれそうなくらい、絶望に満ちた瞳。
そんな彼を見るだけで、胸が酷く痛む。
WZ「……Aの、容態は……」
JH「……今は目眩と耳鳴りが酷くて、右耳も聞こえづらいみたい。だけど気づくのが早かったから、完治する可能性もあるって」
WN「……" 必ず " 、じゃないの」
JH「……うん。後遺症が残ることも多いみたい」
ぐすぐすと鼻をすする音が聞こえてくる。
ああ、ドギョマ。
誰よりも共感能力が高くて涙脆いお前には、耐えきれないほど辛い話だろう。
DK「なんで…?なんで、ヌナにばっかり、こんなっ……!」
そうだよな、本当に。
俺もそう思うよ。
どうしてこうも、Aには試練が降りかかるのだろう。
紅一点、デビューしてから数年間は常にその立場は危うくて。
視線、言動、言葉遣い、服装、メイク……俺達では全く気にならないようなちょっとした事でもすぐに批判の的になって。
それでも地道にひたむきに、丁寧に積み重ねてきた信頼と実力。
やっと夢に向かって走り出して、やりたいことができるようになって、しかもそれはまだ途中なのに。
なぜAにばかり、こうも災いが降りかかる?
なぜAばかり、大切なものを奪われていくんだ。
DN「……ヌナが、何したっていうんだよ……なんで、ヌナに……」
運命とは、時にあまりにも残酷だと思う。
生まれた時からそれが決まっていたと思うと、特に。
漫画では、「運命に抗え」なんて言うけれど。
現実はそんなに簡単じゃない。
どうしたって与えられた道を通る羽目になる。
もし抗うとするならば。
それはもう、乗り越えていくことが一番の近道だ。
JH「……A、頑張ってるよ。頑張って乗り越えようとしてる。だから俺達も、全力でAを応援してサポートしよう。遠くても……どんなに距離が離れていても、俺達の声ならきっと届く」
届けなきゃいけない。
Aが足を踏ん張れるように。
放心状態のジュニを除いて、みんなは俺の言葉に頷いてくれたけど。
その場を覆う重苦しい雰囲気を変えることだけは、俺にはできなかった。
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来栖(プロフ) - てじさん» てじさん、いつもありがとうございます。まだまだ書きたいお話がありますので、サジャシリーズは頑張って続けていきます!💪 (2022年10月1日 17時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - 揚羽さん» 揚羽さん、いつもありがとうございます!嬉しいです、凄く励みになります😢 (2022年10月1日 17時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - Haさん» Haさん、いつもありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです😢 本編が完結しても番外編としてお話を書き続けていく予定ですので、読んでいただけたら嬉しいです☺️ (2022年10月1日 17時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
てじ(プロフ) - サジャのギャグネタほんとに面白いから続くの楽しみ😂パルちやん強い子だからきっと大丈夫だよね🥺 (2022年10月1日 8時) (レス) id: 677831959c (このIDを非表示/違反報告)
揚羽(プロフ) - ゴセネタ、番外編で続くんですね!ギャグ満載のゴセ大好きなので嬉しいです!! (2022年9月30日 21時) (レス) @page50 id: f89d446e74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来栖 | 作成日時:2022年9月5日 19時