俺達のサジャ XIV

恋 ページ38

(your side)





もう、疲れた。






日本に帰ってきてから2ヶ月。

本当に怒涛の毎日だった。
こんなにも立て続けに色々なことが起こるものなのか。

もしかしたら今までに運を使いすぎて、そのツケが回ってきたのかもしれない。
そんなことを考えて、何度鼻で笑い、沈んだことだろう。



つい先日、いじめ疑惑として嘘の情報を告発された。
まだおばあちゃんのことや耳のことで立ち直れていないというのに、本当に勘弁してほしかった。


だけど話によると、オッパ達が裏で色々と動いてくれたらしく、すぐにあの告発が嘘であることが証明された。

それ自体は本当にありがたかったのだけど、その代わり私がかつて暴力を受けていたという情報まで広まってしまった。

そして何より、みんなにも事務所にもカラットにも、私のせいで迷惑をかけてしまった。



……だからこの時、私の心は完全に折れた。





だけど私の心がまだ狂わずにいられるのは、ジュニの言葉があったからだと思う。


" 絶対会いに行くから。すぐに行くよ、A。 "


彼がそう言ってくれなければ、きっと私はもう壊れていたはずだ。

ジュニから貰ったバングルをお守りのように肌身離さず身につけて、彼の言葉を信じて、なんとか毎日を過ごしていた。



そして、昨日きていたカトク。


" 明日会いに行くよ "


その文字を見ただけで涙が溢れた。
拭っても拭っても止まらなかった。

久しぶりに会えるんだから笑って迎えたかったのに、目が腫れて酷い顔になってしまった。





突発性難聴を発症してから、毎日のように夢を見るようになった。

ジュニの夢だ。
周りは真っ暗で何も見えないのに、私を呼ぶジュニの声だけが聞こえる夢。

私も彼も、闇の中でお互いの姿が見えていないみたいだった。
だから遠くから、姿の見えないジュニが必死に私を呼んでいる声が聞こえるんだ。


すぐにでも駆けつけたくなる。
だけど今にも闇に押し潰されそうで、溶けてしまいそうで、怖くて手を伸ばせない。

そのせいで、お互いの場所に気づけない。




この夢を見ていつも飛び起きる。

朝起きる度に、泣いていた。
苦しくて苦しくて仕方がなかった。

ジュニが夢に出てくる度に、気持ちが募るから。



会いたい。
会いたいよ、ジュナ。

離れてることが、あなたが隣にいてくれないことがこんなにも苦しいなんて、知らなかった。

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