No.42 くすぐったい秋の風 ページ23
(your side)
『……うわ、まただ』
WN「また？」
『うーん……』
バイト終わり、身支度をしながらバッグを開けてまた気づく。
最近よく無くなるハンカチ。
だけどここ数日はさらに状況が悪化して、ティッシュやリップまでもが頻繁に消えるようになった。
毎朝確認しても、夕方気づいた時には無くなっている日が多い。
おかげで小物が枯渇の危機なんだけど。
WN「落としながら歩いてるんじゃない？」
『ヘンゼルとグレーテルじゃあるまいし』
WN「じゃあバッグに穴空いてるんじゃないの？ほら、どんぐり落としながら走ってる中トトロみたいに」
『んなアホな。ってかトトロ懐かしいな』
WN「俺も自分で言ってて思った」
念の為バッグの底を確認してみるけど、穴なんてどこにもない。
どれも一番外側のポケットに入れてる物だから、歩いた弾みで飛び出て落としたのかなとも思ったけど……そんなことある？
去年から使っているバッグで、今まではそんなこと無かったのに。
『あー、地味にストレス……』
WN「……盗まれてるんじゃないの？」
『いやいやまさか。何のために？』
WN「それは知らないけど。でも変な趣味の奴とかいるじゃん、世の中」
『それはそうかもだけど……でもバッグ丸ごとならともかく、中身をピンポイントで盗むとか無理じゃない？私ずっと持ってるのに』
WN「まあ、それはたしかに」
やっぱりただの置き忘れなのか？
可能性があるとすれば大学か、最近よく勉強しに行く近くの図書館だけど。
一体この怪奇現象はいつまで続くのやら。
お疲れ様でした、と店長に挨拶をして外に出る。
……寒い。
最近寒暖差が激しいな。
今年はマフラーでも買おうか。
WN「……ねえ」
『ん？』
WN「あー……もし良ければ、なんだけど。嫌なら全然嫌でいいんだけど」
『え、なに』
歩きながら、珍しく歯切れの悪いウォヌに思わず身構える。
WN「なんか、もし空いてる日あったらさ、ちょっと……付き合ってほしい場所、あるんだけど」
ああ、なんだ。びっくりした。
めちゃくちゃ真剣な顔だったから一体何事かと思った。
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来栖(プロフ) - miyukicheeseさん» miyukicheeseさん、ありがとうございます！とても励みになります😭 更新頻度にムラがあると思いますが頑張りますので、最後まで見守っていただけたら嬉しいです☺️ (2023年3月8日 22時) (
レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
miyukicheese(プロフ) - いつも楽しんで読ませていただいてます！続きが、続きが！！とても気になります！お体に気をつけてお過ごしください🍀*゜更新楽しみにしてます！ (2023年3月8日 11時) (レス) @page20 id: f1f2a97f56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：来栖
| 作成日時：2023年2月9日 18時
