episode_six ページ6
｢それじゃ、夕食は七時からで大広間に集合するんだ。時間厳守だよ。それまでは談話室でゆっくりしててね。｣
上級生はそう言い残すと談話室を出て行った。
その後、新入生同士の交流が始まった。
トントンとAは談話室の端で一人用のソファにそれぞれ座りながらお喋りをしていた。
tn｢談話室まであるんかこの学園は…凄すぎるやろ。｣
｢とてもいい部屋だね。ソファも最高だ！｣
弾むソファに目を輝かせるAを見てトントンは苦笑した。
tn｢Aが話しかけてくれんやったら今頃一人やったわきっと。｣
｢私と同じで暇してるんじゃないかと思ってね。勇気をだして声をかけてみたんだ。案外話しやすくて驚いたよ｣
tn｢俺も同感や。｣
二人でクスクス笑っていると、女子の声が大きくなっているのに気づく。
｢なんて美しいの！！？あの端正な顔立ち…凄くハンサムだわ……｣
うっとりとした声が聞こえてくる。
他にも女子の黄色い声が辺りに響き渡る。
｢私を許嫁にして欲しいですわ……コネシマ様。｣
コネシマ、と呼ばれた男に一人の少女が腕を絡ませている。男は心底不快なものでも見るかのような目付きで少女を見た。
kn｢…きっしょ。失せろクソ女。｣
少女の腕を乱暴に振りほどき、男子寮への階段を登って行った。取り残された少女は顔を真っ赤にして大粒の涙を流し始めた。それを見せないように取り巻きの女子達が取り囲む。
談話室は冷たい空気に包まれていた。
tn｢何やあれ…女も女やけど、あの男も酷いな。｣
トントンは訝しげにその様子を見ていた。
｢私は百パー女の子が悪いと思うよ。人が沢山いるとこであんな事言われたら誰だって怒るさ。言い方はあれだったけどね＿＿＿ああ言われて当然さ。｣
少し面白そうにAが呟く。
トントンはその様子に首を傾げながら｢そうか｣と呟いた。
その様子を彼は紅い瞳で見つめていた。
tn｢もうこんな時間か、大広間行かな｣
｢大広間の道覚えてるかな…ここは広いから迷いそうだ。｣
新入生達はゾロゾロと動き出し、大広間へと急いだ。
無事、大広間へと着くと中からいい匂いが漂っていた。
長机にトントンとAは隣同士で座る。
ローストチキンとポークチョップ、ラムチョップ。ステーキにグリルポテト、豆のスープなど色んな料理が並んでいる。
トントンは目を輝かせた
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作者名：緑のコウモリさん。 | 作成日時：2023年12月27日 10時
