episode_four ページ4
｢私はA。君の名前は？｣
tn｢トントンや。｣
陽気に挨拶をする彼女にトントンは少しドギマギしながら自己紹介をする。
｢へぇ、トントン君か。君は何処から来たんだい？｣
tn｢サウスタウンの奥の方の地域や。Aさんは？｣
｢呼び捨てで構わないよ。私はノースタウンの上の方。｣
tn｢俺も呼び捨てで大丈夫や。｣
それから好きな物は何か、とかやってみたい教科は何か、など会話に花が咲く。
少し緊張していたが話して行くうちにどんどん緊張が薄れていった。
tn｢へぇ、Aは魔法生物学を習いたいんや。何でなん？｣
｢沢山の生き物と出会いたいんだ！グリフィンやマーピープル……ああ、早く見てみたい………！そう言うトントンは魔法戦闘学と言ったね。理由はあるのかい？｣
tn｢早く魔法を使いたいからな。火炎魔法とかかっこええやん！！他にも薬草学とか魔法史も気になっとるな。｣
お互いすっかり仲が深まっていた。
喋っているうちに先生が来たようで、皆が喋るのを辞めた。
｢今から大広間へと移動をします。各自トランクはここに置いていきなさい。入学式が終わると自分の部屋にトランクが運ばれています。それと、あまり騒がしくしない事。気品ある行動を心掛けなさい。さあ、行きますよ。｣
厳格な顔つきの魔女がそう言うと。
大きな扉が開く。
中から盛大な拍手が聞こえてくる。
tn｢き、緊張してきたわ……｣
｢はは、そんなに固くなるなよトントン。｣
tn｢何でお前はそんな呑気やねん…｣
クスクス笑うAを横目にトントンは溜息を付いた。
大広間は沢山の飾り付けが光り輝いていた。
沢山の光の蝶が宙を飛び、高い天井では花火が上がっている。
上級生達の暖かい拍手に迎えられ、一年生達はそれぞれ準備された席に着く。
｢名前を呼ばれたら返事をするように。｣
先程の魔女が言う。
新入生達は緊張と不安で震えていた。
｢それではいきます。＿＿＿＿＿＿＿＿＿！｣
次々に名前が呼ばれて行く。
どうやら名前順らしい。
そして、ある男の名前が呼ばれる。
｢"グルッぺン・フューラー"！｣
｢＿＿＿はい。｣
そう呼ばれた少年はトントン達とは離れた所に座っていた。ブロンドが揺れ、紅色の目が光る。
人形の様に美しい顔立ちに皆が息を飲むと同時に、ザワザワと騒ぎ出す。
｢フューラーだって？この学園の創立者の！？｣
｢通りでハンサムだと思ったのよ…あの人。｣
騒ぎたつ中グルッぺンと呼ばれた男は何も動じず、席に着いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：緑のコウモリさん。 | 作成日時：2023年12月27日 10時
