黎明と銀の魔法使い。【wrwrd!】 (ページ2)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:135 hit

episode_two ページ2

現在、ロストラムは沢山の魔法使い達が住んでいる。
それも"混血"が増えたからだ。

魔法族と非魔法族との混血

それは魔法族の中でも純血の一族に虐げられた。
しかし、純血の一族は減り続け、混血の魔法族がどんどん増えていったのだ。
未だに混血を毛嫌いする純血も居るが、お互いの均衡を保ちながら暮らしている。

そしてもう一つ。
魔法の知識と技術を学ぶため、学園が作られた。

『アヴェイル学園』

創立者はエドワード・フューラー。
十二歳から十八歳までの六年間、一人前の魔法使いになるために魔法族の子供達は入学しなければならない。

彼女もその一人だ。

少し肌寒い季節。
自然に囲まれ、ひっそりと佇んでいる白い家。
その家の一室には鏡を通して自分を見ている少女の姿。
肌は青白く、肩まである少し濁った銀髪を後ろでちょんっと結び、藍色の瞳を瞬かせる。

彼女の名前は＿＿＿＿＿＿＿＿＿。

部屋中に轟く目覚ましの音で彼は起きた。
眠そうに目を擦りながらゆっくりと身体を起こす。

tn｢……あの子、誰やろ。｣

先程の夢の中の少女は誰だったのか、と疑問を抱く。
彼の名はトントン・シュヴァイン。
今日からアヴェイル学園へと入学する

tn｢今日からか…とうとう学園に行けるんや｣

頭が冴える。
期待に胸を募らせながらベッドから飛び起きる。
昨日何度も確認した入学用品をもう一度確認し、制服へと着替える。

シャツに腕を通し、ネクタイを締める。
そこ上から紺色で金の装飾が施されたフード付きのローブを羽織る。
上品な質感で、施された模様はとても綺麗だ。

制服を着たトントンは目を輝かせた。

tn｢か、かっこええ……｣

と呟きつつ、鏡の前でくるりと回る。
ローブが風になびくのを見てもっと胸が踊る。

五分ほど鏡の前でクルクル回ると、満足したのか荷物が入ったトランクを持って玄関へと足を進める。

tn｢行ってきます｣

誰も居ない家の中、トントンの声が虚しく響いた。

.