story29 ページ30
『前任はいないんだよ。
もう、自分を犠牲に家族を守る、無理をしなくていいんだ。
その役目は僕が務める。僕が、一期さん含めた家族みんなを守るよ。
だから、相手をよく見て。敵を見誤るな。一期さんが迷えば、弟達も迷うんだから。
兄として、お手本として、貴方はあるべき姿でいて。』
荒かった呼吸が段々と落ち着いていくのが分かる。
ちらりと顔を覗き見すると、何かに気がついたようにハッ、と顔を上げていた。
もう大丈夫かな、と離れると、一期さんの瞳は僕を捉え、怯え始めた。
と同時に、先程の僕の言葉を思い出したのか、刀を鞘に収め、真っ直ぐに僕を見つめてきた。
『……、僕を、新しい主として認めてくれますか……?
新しい家族として、迎え入れてくれますか、??
ダメでも僕は勝手に家族にしちゃうけど。
…………いいよね??えっ、いいでしょう???』
何か感動的な言葉を待っていたのだろうか。
最後のセリフにえっ、と素っ頓狂な声を出しながら僕を見た。
いや不安じゃん!ここまで言っておいて「いやちょ、ほんと無理です、」とか言われたら格好悪くない?!
こういう所だよね……、僕のダサい所……。
はぁ、とため息をつくと、僕は一期さんにもう一度尋ねた。
僕を、主として認めてくれるのか、と。
一期「……貴方は、貴方自身に刀を向け、斬りつけてきた相手でも、家族にするのですか。」
『あはは、薬研くんにも、似たような事言われたよ。
でも、答えは一緒。勿論、大歓迎だよ!』
そう言うと、一瞬、考えるように俯き目を閉じたけど、微笑して、頭を下げて来た。
これで、僕にも家族が増えたなぁ、なんて呟けば、「弟共々よろしくお願い致します」って。
あーそう言えばあの子達って弟だよね、兄が動いたなら自分たちも動くかな、?
『あっ、いつの間にかタメ口に……!敬語外れてて、すみません。一期さん』
そう言うと、彼はふわりと笑い、「大丈夫ですぞ。むしろ、その方が楽です。」と言った。
仕草や言動の一つ一つが大人っぽくて紳士でイケメンだから僕ちょっと眩しい←
僕なんかといて良いのだろうかと考えていると、先ほど話題にも出た弟達が帰ってきた。
その後には薬研くんと五虎退くんもいた。
『良かった、会えたんだね。』
薬研「大将のお陰だ。有難うな」
五虎退「主様!ありがとう、ございます……!!」
こんな子達が僕の家族になったのか……。
あぁ、可愛い……←
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梶屋 - 一番面白いとこで更新止まってる…………和睦の道はないのでしょうか。 (2018年8月24日 8時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
きつつき!(プロフ) - ロワです。さん» 同じですね!今後そう言った場面を入れていきたいと思っていますので楽しみに待って頂ければと思います! (2017年3月18日 23時) (レス) id: e777c39756 (このIDを非表示/違反報告)
ロワです。 - 私も抹茶やチーズ好きで、きのこ嫌いですよ〜!! (2017年3月18日 19時) (レス) id: 8d6b86ff12 (このIDを非表示/違反報告)
きつつき!(プロフ) - コメントありがとうございます!抹茶いいですよね……夢主くんと同じものが好きということは私と一緒((( がんばって更新しますのでどうぞよろしくです! (2017年3月6日 6時) (レス) id: e777c39756 (このIDを非表示/違反報告)
ヒビキ(プロフ) - 面白いです。夢主君の台詞が滅茶苦茶カッコイイ!きつつき!殿抹茶好きですか!僕も抹茶、大好きなんです!好きなものが一緒で、頬が緩んでしまいました(笑)次回楽しみにしています! (2017年3月6日 0時) (レス) id: 9ddb2aed53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きつつき! | 作成日時:2017年2月13日 22時