記録係7【アンナチュラル 】

甘々とクラッシャー ページ10

※オリジナル

ぎゅーっと腕の力が強くなる。

中「Aと出かけたい。
かと言って…男が女の後ろに乗るのは…
少し恥ずかしいというのと
情けないというのが本音だ。

だから、ずっと考えてた。どうしたらAと
ツーリングできるか。
難しく考えすぎてたと、自分に呆れてしまった。」


『私なんかその…何も考えずに
系さんの気持ち考えずに
余計なこと言ったなって反省してたの。
自分の考え、押し付けたんじゃないかって。
系さんがため息ついたり、分かんないとか
呟いてたから…その…。』

ああ。背中があったかい。
系さんのドキドキも感じる。
普段だったらすごく幸せなんだけど…
そうはいかない、この状況。

中「分かんない？Aの事が？
そんな事を言った覚えはないが。」

『え。』

そんなバカな…！

『さっき！スマホ見ながら！！！』

すると、目を大きくした系さん。
その数秒後…「くくく…」と、
私の頭の上で笑い出す。
あ、壊れたんだ。ついにおかしくなった。

中「それでイヤホンしてたのか。
…あれは車でどこに行くべきか
調べてたんだが、良いところが見つからないのと
道が複雑なのとで困ってたんだ。
…それを、Aが勘違いしたってわけだ」

『え！嘘！』

系さんは私に履歴を見せる。

『ほんとだ…』

履歴には「はじめてのドライブデート特集」
「彼女を退屈させないドライブデートとは」
などなど。

中「俺は、ドライブが嫌だとは一言も言ってない。
なのに、お前が勘違いしただけだろ。
…俺もはっきり「良い案だ」と言えば
良かったと反省はしている。」

『で…でも系さんはそれで良いの？』

中「運転自体は嫌いじゃない。むしろ好きだ。」

そう言って、私の頭を撫でて笑う系さん。

『…またまた思い込みで
系さんを振り回してごめんなさい。』

中「Aに振り回されるのは
今更じゃないだろ。
それに、そんなお前が好きなんだ」

『あ…え…っとその…』

どストレート。どストレート過ぎます。
は、恥ずかしい。

中「Aは？」

ニヤリと笑う系さん。

『わ、私も系さんが好きです…』

そう言うと、私を前に向かせる系さん。
顔がどんどん近づいてくる…

すると、私のスマホが鳴る。
系さんはイラッとしながら私の手からスマホを
取ると「誰だ！」と怒る。
ちょ、名前も見ずに出たの！？

中「この！ムードクラッシャーが！」

そう言って電話を切ると
少々荒っぽいキスがすぐにきました。

…誰だったのかな。

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