記録係5【アンナチュラル 】

初めて ページ14

※オリジナル

結局、三人は仕事なので
早々と去って行った。
朝からうるせえと中堂さんは
言っていたけど、
顔はちょっと笑ってた。
…嬉しいくせに。


今日は月曜日。
でも、あの事件の後なので

神「中堂さんもAちゃんも
8年間よく頑張りました。
少し二人でゆっくりしてください。
…二日間だけで申し訳ないですが…」

と、連休をくれた。本当に優しい人だ。

朝ごはんを済ませると、
中堂さんは部屋の隅で本を読み始める。

『中堂さーん？』

中「なんだ。」

『いいお天気だし、
どこか出かけないー？』

中「Aはどこに行きたいんだ」

本から目を離さず、私の話に答えてくれる。
…いや、真剣に聞いてよっ！

『えー。私デートとかした事ないから
分かんないや…どこ行くの？』

ぱさり。
中堂さんが持っていた本が落ちる。
なんか変なこと言いましたっけ？？？

中「…A…今まで付き合った奴は…」

『いないよー？
中堂さんが1番知ってるでしょ？
8年前からずーっとお姉ちゃんの事件
一緒に追いかけてきたのにー。
恋愛なんてする暇あると思う？』

目を丸くする中堂さん。
なんだよー。この歳で初恋だよー。
悪いか、このやろー！！

中「…A、でかける準備しろ」

『へ？』

勢いよく立ち上がった中堂さん。
何！？なんで！？

中「弁当…作ってけよ。」

『あ…えっと、うん。何食べたい？』

中「サンドイッチ。」

『…サンドイッチ好きだね…』

中「悪いか。」

『べっつにー。はいはい作りまーす』

手早くパパッとサンドイッチを作ると
奥から出てきたのは
鮮やかな青色のシャツを着た中堂さん。
いつもとイメージ違うー！

『わあ！中堂さん似合う！』

パチパチと手を叩くと
「うるせえ」と言われる。

『私も着替えてくるー』

クローゼットを見ると、
…あはー可愛い服なんて物は一切ない。
中堂さんおしゃれしてるのにー。

すると、一着だけあったロングスカート。
お姉ちゃんが誕生日に買ってくれたっけ。
これにしよー！

『おまたせ！じゃあ、行こう！』

ニコニコーと中堂さんに笑うと
中堂さんの動きはストップ。
どうしたの。

中「…てる…」

『はい？』

中「…似合ってる。」

珍しい中堂さんの褒め言葉に
顔から火が出そう。

『え…あ…の…ありがとうです…』

二人でストップ。
時計の秒針の音が響く。

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