記録係5【アンナチュラル 】

遡る ページ2

※オリジナル

最初の頃、あんなに過保護だったのは
お姉ちゃんとの約束を守るためだったんだ。
…知らなかった…

『100歳まで…生きるんじゃないの？』

中「全くだ…長生きするって
笑って言ってたのにな…
…今はもういない。」

中堂さんが私の肩に顔を埋める。
嗚咽とともに、私の肩が暖かくなる。

二人で泣き続けた。
お姉ちゃん…大切にしてくれてありがとう。

数時間泣き続けた後
私のスマホが鳴る

『…あ、お父さんっ！』

急いで出ると
ふふふ…と笑い声がする。

父「日本に残るんだな。
…全く姉妹揃って自由で…
父親は本当に困る…」

『え…どう言う事…』

父「中堂さんと…日本に残るんだろう？」

ん？ん？なんで知ってるの？

『…いや、あの…ごめんなさい…』

父「いやー。びっくりしたよ。
まさか、中堂さんが裁判の後に
Aをくださいなんて頭下げるから」

『はあ！？』

____
裁判の後に遡る…

父「火葬して…連れて帰るつもりです。」

中「遺品です…」

父「最後の電話で、夕希子言ってました。
次の絵本は2匹のカバと1羽の小鳥が
一緒に旅する話だと。」

夕希子「一緒に暮らしてると
甘えちゃうからさー
しばらく一人でやってみる。
またいつか、2匹に戻って！
そして、小鳥を呼んで皆で旅するんですよー！」

父「夕希子の旅は終わったけど…
貴方は生きてください。」

中「…あの。そんな話の後に…
気分を害されるかも…しれませんが…」

父「どうかされましたか？」

中「これから
Aと一緒に生きていこうと思います。」

父「あっはっは！
これは夕希子もびっくりですね！
…まあ、夕希子ならきっと笑って
了承してくれるでしょう。
…中堂さん。Aの事を頼みます。」

中「…ありがとうございます」

父「ああ、でもA
明日の便で私と帰るつもりなんですよ。
中堂さんはどうしますか？」

中「…なっ…！そんな話は…」

父「おやおや…この先不安ですね…
きちんとAと
話し合って決めてくださいよ。」
____

『そんな事が…』

父「帰らない…が答えなら安心だ。
でも、時々は連絡をしてくれ。
…8年間の事も…話したい」

『うん…うん…！ごめん！
ありがとう…！！』

お父さんはそう言って
笑ってから電話を切った。

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