記録係3【アンナチュラル 】

ドキドキ ページ8

※オリジナル

大人しく頭を撫でられていると

夕「Aさー。
ロッカーの中で何してたのー？」

にやにやと近づく夕子。

『んー。何もー？』

夕「何も！！？あの狭い密室で！？
嘘！中堂さん絶対Aに手出してると
思ったのに！！」

『夕子さー。前にも言ったけど
こんなちんちくりんに手出したとこで
世の男どもの欲は満たされないんだよー。』

えへへー。と笑うと
六郎くんが ガタンと机の角にぶつかり
ミコトが ガシャンとペンケースを落とす。
何か変なこと言ったかしら。

夕「A…あんたねえ」

はあ…とため息をつく夕子。
そして、頭上からもため息が聞こえる。

『ねー。中堂さーん
こんなちんちくりと一緒に入ったとこで
狭いなー早く出たいなー
くらいしか思えないでしょー。』

ソファから立ち上がって
コーヒーを入れようとマグカップを持つ。

中「ずっとAと中に居たかった…と
言ったらどうする。」

ニヤリと笑う中堂さん。

ガシャンと持っていた
マグカップが落ちて割れ
同時に「やだー！！最高！」と
夕子がくるくると回り出す。

『六郎くん。中堂さんは今なんと？』

六「僕も聞き間違いだと思うから…
ミコトさん、中堂さんはなんと？」

ミ「いや…最近私聴力弱くなってさ。」

皆が固まってると

夕「だからねー！中堂さんは
Aとずーーっとロッカーの中に
居たかったんだってー！きゃーー！」

そんなバカな。
…聞き間違いだ。こんなの。
中堂さんにとって私は妹で…
私のことなんか…ねええええ！誰か教えて！

中「おい。A」

『は、はい！！なんでしゃう！』

噛んだ。噛みました。
恥ずかしいなあもう。

中「ちりとり持ってこい。俺が片付ける。」

『そうだった！私やりま…「もってこい」
分かりましたー持ってきまーす』

落ちたマグカップの残骸。
あーあお気に入りだったのにー。

ちりとりを持ってきて、屈むと

中「Aは危ないから触るな」

『はいはい。ちりとり持ってますね。』

ど、どうせ、また人をからかって
楽しんでるんだ。嘘なんだよ。

屈むと中堂さんの耳が真っ赤な事に気づく。
そんな恥ずかしいなら、
そんな嘘つかなければいいのに。

…嘘じゃないとしたら。
そしたら、私のこの気持ちは
中堂さんに伝えてもいいんでしょうか。
もうはっきりしました。
このモヤモヤやドキドキの原因。

わかったけれど…良いの？

誰か教えてください。

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