記録係3【アンナチュラル 】

滑舌 ページ21

解剖開始！
さあ、やるぞー！

六「どれも手足が丸まってますね」

夕「焼死体の特徴。筋肉の熱硬直
身長が図れないから四肢の骨の長さを
測ってそこから身長を催促するの。」

夕子の真似をして、測る六郎くん。
なんかいいコンビだなあ。

中「A、よそ見してるな。これ、開けろ」

『了解しました。』

六郎くんを見てると中堂さんに
注意された…気をつけなきゃ。
今日は機嫌が悪い。私のせいだけど。

中「二番、気管が煤でクソ真っ黒だ」

坂「血中もクソヘモグロビン濃度
70パーセントでーす」

『はーい、記録しまーす。』

坂本さんもいい調子。
これならやっていけそう！

『中堂さん、法歯学の先生
いらっしゃいました！
先生、よろしくお願いします』

「はいはいよろしくね。」


「咬耗で…象牙質がろしゅちゅ」

中「…はい？」

『え？』

今、なんと仰いました？
聞き取れないよ…こそっと聞いてみよ

『中堂さん…今先生はなんと…』

中「露出だ。…多分」

多分…一応そう書いておこう…。

___
次の日もバタバタだ。
朝駐輪場で一緒になった六郎くんと
『坂本さん大丈夫かな？』
六「昨日の今日で来なくなったら…」
と話しながら解剖室に向かう。


六「おはようございます」

『遅くなりました…！』

坂「本日もよろしくお願いします」

六「『よかった！』」

大丈夫そうだ！これで安心。
中堂さんは不機嫌だけど。

___
中「8番、ペースメーカーに識別番号有り。
NTUR-25J」

『了解しました。鑑識に回します。』

中「助かる」
____
「70しゃい以上」

『え？』

中「70さい。」

「70しゃい以上」

中「70さい…！」

『中堂さん…！聞き取れますし…』

「70しゃい」

中「さいっ！」

『もー、子供じゃないんだから…』

中「聞いててイライラする…」

坂「しーっ…聞こえますよー
クソ小さな声で言わなくちゃ」

『ふふ…そうですよ
クソ小さな声で言わなきゃ…』

坂本さんの攻撃に援護射撃すると
中堂さんに頭を掴まれた！痛い！
そして、顔をぐっと近づけて一言。

中「A、
これが終わったら覚えておけよ。」

『…負けません！』

きっ！と見るも中堂さんとの
顔の距離が近すぎて顔をそらす。
思った以上に近かった…恥ずかしい。

中「…これで照れるようじゃ
きっと無理だな」

と、勝ち誇った笑みで離れて行く。
どんな、仕返しが待ってるのか…怖いなあ

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