記録係3【アンナチュラル 】

お茶 ページ14

※オリジナル

自分の気持ちを
我慢するのは期限付きということで
ちょっとだけモヤモヤが晴れた。

中堂さんは夕子に
「ねーねーなんで来たのー？」
「A心配だったのー？」
「嫉妬？嫉妬でしょ！」
と、質問されて眉間にしわを寄せている。

六「東海林さん、やめてください」

ミ「そうよ、平和な１日が台無しになるよ」

今にも怒鳴りそうな中堂さんを
見て二人が止めに入る。

私はこっそりと所長室に逃げる。

神「Aちゃん、おかえりなさい」

『ひゃあ！神倉さん居たんですね』

神「待ってたよー。今度こそどら焼き食べよう」

優しい！

『ありがとうございます…！』

そっと、お茶も出してくれる。
やっと食べれるよ…！

神「皆に渡したのよりちょっとお高めの
どら焼きなんですよー」

『中堂さんに気を取られてるうちに…』

神「『いただきまーす』」

口の中に広がるあんこの甘さと
ふわふわの生地。

『おいしー！』

神「Aちゃん、
やっと、ステキな笑顔が戻りましたね。
いやー良かった良かった」

『え…？』

お茶を飲んで首を傾げる。
最近も笑ってたけどなあ。

神「もう、無理して笑ってる
Aちゃんを見るのは懲り懲りです。
今はスッキリしたみたいで良かったよー。」

そんなに顔に出てたのか。

『まだまだ修行が足りないなー』

神「どんな修行ですか」

神倉さんに笑われた。

そのあとは
どら焼きを食べ終わって
神倉さんが色んなお茶を入れてくれる。
みんな違ってみんなおいしー！

中「だぁぁあ！！うるせえ！
いい加減にしろ！！」

神「もう限界ですか。」

外から聞こえる中堂さんの
怒鳴り声に神倉さんが苦笑する。

『あと一杯だけ飲みたいです。』

神「じゃあ、あと一杯だけ。」

バンっ！と所長室のドアが開き
中堂さんが入ってくる。

『中堂さん、あと一杯だけ飲ませてください』

中「…俺も飲む。」

ムスっとした中堂さんは
きっと外に戻りたくないんだろう。
いつもお茶なんか飲まないのに。

神「いやー、
中堂さんも飲んでくれるなんて！
嬉しいですねえ。
では、こちらをどうぞ」

出されたお茶を二人で啜る。
あー。おいしー。

飲んだ後中堂さんが固まっている。
よく見ると中堂さんの湯のみの淵に
私のつけているリップがついていた。

『それ私が使ってた湯のみ…』

神「おや、ごめんなさい」

真っ赤になった中堂さんが
部屋から超特急で出てくのを見た
私は『さっきのほうが
よっぽど恥ずかしいのに』と
呟いた。

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