記録係2【アンナチュラル 】

間に合わない ページ7

さあ、事件の結果はどうなったって？

鈴木さんは愛しい彼女を殺 した
犯人の所に向かったそうな。
彼女にあげたはずのネックレスをしている女性
が、いたんだそうな。




私達が駆けつけて､ミコトさん達と中に入ろうとすると中堂さんに名前を呼ばれて引き止められる｡



中｢A｡｣

『はい。何でしょう』

もう、中堂さんはわかってる。
これから起こること
ミコトさん達が止められないこと
どれだけ辛いことなのなのかも...


『行ってきます。』


はっきりと言うと
中堂さんはびっくりした表情で私を見た。
そして、ゆっくり私の手を離した。
「ありがとうございます」と言って
私はミコトさん達の後を追った｡



ミ「やめてっ！！！！」

ミコトさんの必死な声が聞こえた。
ああやっぱり間に合わなかった。

『毛利さん！こっちです！』

毛利さんに
あらかじめ連絡をしておいて良かった。
六郎くんは急いで救急隊員を呼んでいる。

私達にできることが無くなると
六郎くんが走ってきてくれた。

六｢Aちゃん…あの…えっと｣

『何？どうしたの？？』

六｢…なんで、そんな平気なの…」

びっくりした顔で私を見る六郎くん。
カタカタと震えてる。
そんな六郎くんの手を握って

『…そりゃ、もちろん
鈴木さんにこんなことして欲しくなかったよ。
…でもね、別にいいと思うんだ。
相手の女の人もさ、人をあやめるなら
自分も酷い目に合うって覚悟があったはず。
…無かったのなら、それは残念だね。』


六｢そんな…！！｣

『人をあやめるなら
それくらいの覚悟を決めてじゃないと…。
鈴木さんのように
家族や仲間はどれだけ苦しむか、悲しむか
…六郎くん知ってる？？？』

六「でも、やり返したところで愛する人は返ってきません…！」

その言葉にハッとなる。

『…分かってるよ。』

頭の中に中堂さんの辛そうな顔が浮かぶ｡
泣きそうなあの顔。
額に手を置いて苦しそうな顔。


『話しすぎたね。
こんなんでも結構動揺してるかも。私、帰るね！
六郎くんもゆっくり休んだほうがいいよ！』

と、握った手をぶんぶん振ってみる。

六「…Aちゃん」

私の名前を呼んで
それきり黙ってしまった六郎くん
やってしまった本音をぶちまけすぎた。

数秒悩んだ後私の手を離して

六「…ありがとう。Aちゃんもゆっくり休んだほうがいい。」

と、離れて行った。

せっかくできたお友達なのに。
…また、やってしまった。

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