記録係。【アンナチュラル 】

罪 ページ40

中｢ありすぎて分からん｡俺は恨まれやすい体質なんだ｡｣

ミ｢恨まれやすい“性格”の間違いじゃ...｣

中｢とにかく､相手は俺だ｡三澄もAも心配する事はない｡｣


ミ｢それを言われて､“はい､そうですか｡安心しました｡”ってなると思います？｣

中堂さんはぎょっとして、振り返る。
え。今日のミコトさんブラックミコトさんだ。


ミ｢自分宛てだと言い切る根拠があるんですよね？｣


そう言われた中堂さんは面倒くさそうにカップを置くと自分のリュックから10数枚の紙の束を差し出した｡そこには全て【罪を認めて償え】と記されていた｡…何故、貴方がそれを…


ミ｢誰がこれを？？｣

中｢さぁな...｣

そう言って私も所長室から出し、逃げるように扉を閉めようとしたのを止める｡

『待って…！私も…それある。』

中「は？」

ミ「え？」

『すぐ捨てちゃってた。怖いし。』

中「A！お前いつからだ！」

中堂さんに肩を掴まれる。

『痛いです…。』

中「…！すまない」

ミ｢…中堂さんは、どんな罪を犯したんですか？｣

中｢罪を犯してない人間なんているのか？｣

ミ｢それなら...Aの罪は？｣

『ごめんなさい。まだ言えません。…いつか、言える…はずだから待ってて欲しいです。』

中「お前はそんなに他人の罪を掘り返したいのか」

ミ「そういう意味じゃ…」

中「俺だけならまだしも、Aまで聞く必要は無いだろう。」

そう言うと、私の手を掴んで所長室の中に。

『痛いですって…』

中「いつからだ。」

さっきのか…

『覚えてないです。それくらいいっぱいきてるし。…以上です。』

中「何故、俺に言わない」

『…。』

そんな。言えるわけない。
私の事なのにそんな悲しい顔して
辛そうな顔してる貴方に。

『言い忘れです。気にしないで…

私の言葉が終わる前に引っ張られて
彼の腕の中。
あったかくて安心できて…

『…う…』


涙が出てきた。
ほんとは怖くて、何度も何度も
中堂さんに助けを求めたかった。
でも、頼っちゃダメだ。一人で強くならなきゃって。
そう思ってたのに…

中堂さんは
私の背中をとんとんとずっと叩いてくれた。

…まるで子供をあやすように。

嬉しいやら悲しいやら。

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