真ん中【MIU404】

キューちゃん。 ページ43

伊吹「ない。ふいんきが違った」

九重「ふんいき」

これは何か良くない流れになりそうだ。
キッチンを手伝おう。

伊吹「あのね、最初の奴と公園を最後に出た奴は絶対に違った。ふいんきだけど」

九重「ふんいき。」

伊吹「分かってるよ、証拠もないのに決めつけるなって志摩みてぇな事言いてぇんだろ？」

九重「私はふんいきだと」


伊吹「何お前、どうしたの急に。ふいんき魔人かよ…怖いわ〜」

九重「……っ！」

陣馬「あいつら何揉めてんだ？」

『伊吹先輩は通常運転ですが、それが九重さんはまだ慣れてないようです。』

志摩「その通り」

伊吹「いんや、キュウちゃんより志摩の方が優しい」

九重「キュウちゃん？？」

『キューちゃん。』

サラダに使ったきゅうりを持つと
九重さんが不思議そうに首を傾げる。

陣馬「嬢ちゃん、それ分かる人にしか分かんねぇかもな。」

『おいしいんですけどねえ』

とりあえず余ったきゅうりをしゃくしゃくと食べながらお皿を用意する。
片付けはもうあっちに任せよう。

志摩「優しくしてるつもりはない。俺は諦めてるだけ」

伊吹「ほら見ろ。いぇーい」

九重「褒めてないですよ」

伊吹「は？」

志摩「全く褒めてない」

伊吹「うっそ…」

片付けた机にお皿を置くと

陣馬「おっしゃ飯だ飯だ！食らえ〜！」

そんなことを言っている間に陣馬さん特製の夕食ができた。

伊吹「いただきまーす、美味そー！！」

九重「読み方はふいんきではなくふんいきです」


陣馬「やかましい！もー！ふいんきでもふんいきでもどっちでもいいよ！」

伊吹「ほんとだよ」

陣馬「で？逃げられたんだろ？」

伊吹「え？」

陣馬「伊吹の言い分も確かめようがないんだから、ほら食え」

志摩「犯人役の男は全部で4人。全員同じ服装で同じキャップで走ってた」

伊吹「うわっ、流石志摩ちゃん信じてくれたー！」

志摩「ううん、信じてない。この目で見た。」

『私も見ました。』

「「は？」」

『私たちの前から逃げた男と同じ服装の男は全部で4人。誰も気づいてなかったですが、使用した自販機は見守り自販機でした。調べれば、防犯カメラにばっちり顔が写ってるはずです』


九重「でも追尾が途切れた以上、直接証拠にならないんじゃないですか？」

陣馬「顔が分かって人定できりゃ任意同行できる」

『防犯カメラに気付いて、自販機を叩く蹴る等の音はしませんでした。きっと壊れてないと思います。』

お詫び。→←後輩。

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