真ん中【MIU404】

しっかり。 ページ37

どうしたのかと志摩さんを見る。

伊吹「なんて顔してんだよ、Aちゃんは無事だろうが。」

今にも泣きそうな志摩さんがこちらを見ていた。

志摩「別に。」

伊吹「Aちゃん、見て、志摩泣いてるよ。」

志摩「泣いてない。」

伊吹「それくらい心配だったんだよ？」

志摩「心配してない。」

伊吹「それはもう見たことないくらい必死でー」

志摩「人の話を聞け…っ！」

伊吹「まあ俺の方がAちゃんのこと心配してたんだけどね？」

志摩「俺のほうがAを心配して…！…あ。」

伊吹「ほらぁ。」

今思い出した。
彼らは無事じゃないかもしれない状況だった。

伊吹「あれ…？Aちゃん？」

志摩「おい…A…？」

『え…。』

そう思ったらポロポロと涙が出てきた。
あそこで私が先に2人の安否確認をすべきだった。
何か2人にあってからでは遅かった。

伊吹「ほらー！Aちゃん泣いちゃったじゃんー！」

志摩「なんで俺なんだよ！」

『本当2人とも…無事でよかった…』

伊吹「これは志摩が謝るべき。
車に残したのは志摩ちゃんじゃーん。」

志摩「…う…っ。」

志摩「…悪かった…ごめん。」

『こちこそ、勝手な行動してすみませんでした…』

伊吹「よしよーし。これで一件落着。Aちゃんもよく頑張った。…さて本当にお腹すいたよねー！何食べる？山梨って言ったら〜」

『…うどん食べたいです。』
伊吹「いいね！よっし、じゃあうどん食べて帰ろう！」

うどん屋までは志摩さんの運転になった。
両手の空いた伊吹先輩の長ーい脚の間に座らせられ
「よしよし。」と頭を撫でくりまわされている。
もう今日は何も言うまい。

『彼、また田辺さんたちと会えますかね。』

志摩「大丈夫なんじゃないかなー。きっと笑ってあえるよ。」

『それを願います。』

伊吹「それにしてもAちゃん運動得意なんだねー！走って追いかけるなんてびっくりー！」

『先輩ほどではないですよ。』

伊吹「こんなにちっちゃくて痩せてるのに…って思ったけどさ、案外身体しっかりしてるよね。」

『な、なんで…』と呟いた後気づく。
先程ギュッとされた時だ。

志摩「A、セクハラだ。セクハラで訴えろ！懲戒処分だ！」

『…今日は迷惑かけたので、もう何も言いません。言えません…』

伊吹「え、それってさAちゃん触り放題day？ってこと？」

その瞬間志摩さんのバインダーを持つ手が素早くかつ勢いよく先輩の頭を叩いた。

見られたくない。→←ごめんね。

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