信じてくれる人。 ページ29
伊吹「あの後部座席の黄緑の男」
「いえ、息子さんでした」
伊吹「息子?」
「はい、話も具体的で」
『すいません、ありがとうございました』
「いえ、ご苦労様です」
伊吹「う〜ん。俺はそれでも犯人だと思うんだけどなぁ…」
『じゃあ早く行かないと見失いますよ。ねえ志摩さん…志摩さん?』
そういえばさっきから何も言わない。
『おーい』と目の前で手を振ると
「あ、ああ…そうだな、行こう」と一言。
伊吹「…いいねぇ。色んな意味で。」
志摩「早く行けよ」
伊吹「男の嫉妬は醜いよー。」
『なんでもいいから早く行きましょう!』
なにがどうしたと詳しく聞きたいが、とりあえず今は追いかけなくては。
ずっと追っていると伊吹先輩が口を開く。
伊吹「俺の事信じてくれたわけ?容疑者が乗ってるって話」
志摩「あ、信じてない」
伊吹「何だよ!」
志摩「さっきの警官も信じてない。可能性がゼロになるまで確認はする。」
伊吹「あー他人も自分も信じないだっけ?」
『…。』
伊吹「俺さ、昔からめっちゃ職務質問されんだよね」
志摩「だろうな」
伊吹「学生のときも学校で備品がなくなったって言えば伊吹じゃねえかっていっつも俺が疑われてさ。もう言い訳すんのも嫌になって、信じてくれなくていいや。だったら俺も誰も信じない。…でもさ、いたんだ。たった一人だけ信じてくれた人がさ。」
『…伊吹先輩のことよーく見てくれてる人なんですね。』
伊吹「だからぁ、志摩ちゃんも、俺の事信じてくれていいんだぜっ!」
志摩「結構です」
伊吹「何だよ!…Aちゃんは俺のこと信じてくれるよねぇー?」
『40%くらいは信じてます。』
伊吹「え!?半分以下じゃん!Aちゃん酷っ!」
本当はほぼほぼ信じているけど少し意地悪をする。
クスっと笑う声がして隣を見ると志摩さんが笑っていた。それを横目で見てたのがばれてしまう。「…何だよ」と耳を真っ赤にして顔を背ける志摩さんを見てこちらも笑ってしまった。
そんな時志摩さんのスマホが鳴った。
陣馬「田辺夫妻には確かに息子がいた。名前は田辺秀則、だけどもう死んでる」
志摩「死んでる?」
陣馬「中三のとき自 殺した。13年前の今日だ」
『…。』
志摩「分かりました。ありがとうございます」
『何でまた命日にこんなことになるんですかね。…と、何か話してませんか?』
伊吹「犯人?」
『ほらあそこ…なんか話してる』
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kurunacs(プロフ) - 真人さん» 真人様!?お久しぶりです!こちらも見に来ていただけたとは!すごく嬉しいです!更新速度は遅いですが、まだ更新中なのでよかったら見てくださいー!!すごい嬉しいっ!!!! (2020年11月30日 20時) (レス) id: dee2fda631 (このIDを非表示/違反報告)
真人(プロフ) - くっ!私とした事がっまさかお気に入り作者に登録し忘れていたとはっ!相変わらずキュンキュンします泣 良かった…更新あって良かったです泣 (2020年11月30日 9時) (レス) id: e2b1f140f2 (このIDを非表示/違反報告)
kurunacs(プロフ) - 師走みかんさん» ありがとうございます!皆さんに楽しく読んでもらえるのが一番なので、なるべく修正していきたいと思っています…!これからも頑張りますのでまた読んでくださいー! (2020年9月1日 6時) (レス) id: dee2fda631 (このIDを非表示/違反報告)
師走みかん(プロフ) - kurunacsさん» 修正について全然大丈夫ですよ!この素敵な作品は作者様の作品ですし、特に気にされる必要はないと思います。これからも執筆頑張ってください!楽しみにしています! (2020年8月31日 15時) (レス) id: c063fc0f7b (このIDを非表示/違反報告)
kurunacs(プロフ) - 師走みかんさん» いえ、ありがとうございます!たしかにいろんなところに散りばめてしまい全て修正は厳しいので、「音」の部分だけ変更しました、全て修正できず申し訳ありません…! (2020年8月31日 7時) (レス) id: dee2fda631 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kurunacs | 作成日時:2020年7月13日 8時