真ん中【MIU404】

転倒。 ページ18

そう言ってアクセルを思い切り踏み込んだ志摩さん。犯人の前に横入りして止めようとしたみたいだけど…

志摩「おい生きてるか！！」

『…いった…でも大丈夫です…』

大転倒。アクション映画かな。

陣馬「大丈夫か！？」

『陣馬さん！ここですここ！』

タイミングよく来てくれた陣馬さんに
車の中から手を振る。
志摩「A、手出せ。出れないだろ。」

陣馬「ほら、嬢ちゃんがんばれ！」

『うううあ…出れた…いろんなとこが痛い…
…って伊吹先輩は？』

と周りを見渡すと白い車を走って追いかけていく伊吹先輩。

志摩「あ、足が速い」

『伊吹先輩…！待ってください！』

陣馬「おい、嬢ちゃん怪我してんだろ、ここで待って…」

『大丈夫です』

そう言って私も先輩の跡を追った。

志摩「…ったく…すみません、事故車両お願いします」

陣馬「嬢ちゃん大丈夫か？」

志摩「多分あとからすっごい痛がると思うので、その時はお願いします」

陣馬「おう、任せとけ。」


結果、私の足で伊吹先輩に追いつけるわけもなく
後ろから走ってきた志摩さんに追いつかれる。

志摩「A、連絡頼む」

『はーい、伊吹先輩につなげます。…先輩！！今いるのどこですかー！？』

伊吹「神谷町8の4、容疑車両は芝浦方面！志摩！」

志摩「何だ！！」

伊吹「秘密の近道教えろ！」

志摩「ねえよー！！」

伊吹「はぁ！？お前使えねぇなほんとに！！」

そんな2人のやりとりに真顔で走れるわけもなく、
こんな時なのに笑ってしまった。

そこへ伊吹先輩の声が倉庫から聞こえた。

『志摩さん、あそこから先輩の声！』

志摩「伊吹、余計なことすんじゃねぇぞ！」

『あれ犯人の車ですよね…っていうか、伊吹先輩めっちゃ中で怒ってますけど…』

志摩「…急ぐぞ。」

『はい』

志摩「おい、伊吹どこだー？」

『こっちから声が聞こえます。』

声はいつもの伊吹先輩とは違うトーン。
まって…何もしないで…！
もうすぐ…もうすぐだから！！

ここだ！と思い走っていくと

伊吹「もー二人とも遅いよ、こいつ撃っちゃってもいいよね？」

志摩「…銃を下ろせ。相手は降伏してる」

伊吹「轢かれた、殺されかけた。正当防衛だよ？」

志摩「発砲の要件に適ってない」

伊吹「規則なんてどーでも良くない？誰も見てない、防犯カメラもない。ここにいんのは俺と志摩ちゃんとAちゃんとこの糞野郎だけだ」

…あれ？まって…銃を取り出した音がしてない。


「許して下さい…っ！」

バイバイ。→←大声。

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