あなたにピントを合わせたい (ページ18)

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岩「さっき撮ってもらった写真見ました。

前も思ったんですけど、月島さんの写真、すごく好きです。

僕らの担当になってくれてありがとうございます！」

驚きと喜びが交錯してしばらく言葉が出てこなかった

岩「これからもよろしくお願いします。

ってことで、月島さんって距離あるから

Aちゃんって呼んでいいですか？

あと、敬語もやめていいですか？」

この短時間でびっくりすることが起きすぎて

未だにはっきりと現状を把握できていない

でも、岩橋さんはとても嬉しいことを言ってくれている

「ありがとうございます、すごく嬉しいです。

好きなように呼んでください。

敬語もなしで全然大丈夫です」

岩「わかった！よろしくねAちゃん！

Aちゃんも俺のこと玄樹って呼んでよ！

あと、敬語もなしね」

「えっ、と、それは… 」

岩「拒否権なんてないんだからね！

はい！練習！呼んでみて！」

「玄樹……くん」

岩「まあそれでいっか！

次会った時元に戻ってたら怒るよ～！

じゃあ、お疲れ様でした！」

岩橋さん、いや、玄樹くんは人見知りだと思っていたのに

人は見かけによらぬものだなぁ、と

なぜか呑気にそんなことを思った

「玄樹くん…か… 」

写真家として生きてもう何年も経つけど

被写体の人を下の名前で呼ぶどころか

必要最低限しか話してこなかったのに

彼らと関わる中で少しずつだけど

良い方に変わっていく自分がいることに気づいた

次は髙橋さんだ

このグループの最年少らしい

「最年少って何歳なの？」

ゆ「 19歳らしいですよ！」

「ゆいちゃん同い年じゃん！」

ゆ「そうなんですよー！」

そんなことを話していると

休憩が終わって髙橋さんの撮影時間がやってきた

髙橋さんはどんな風に撮ろうかなと考えながら

カメラがあるところへと足を進めた

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