好きが故だと気づいてください

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今日会える?







自分に正直になるために


まず先に会うべき人は紫耀だ







紫耀19時に病院に迎えに行くわ







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「お待たせ！ごめんね」


「うぅん、全然待ってないで！

今日どこ行く？いつもの居酒屋？」


「紫耀、今日はご飯じゃなくて…

この前の返事しようと思って」


「ん、」







「紫耀に好きって言ってもらった時

すごく嬉しかったんだ

私も高校生の頃、紫耀のことが好きだったから


でも、

私、最近気になる人ができたの」


「それって、廉？」


「えっ？」


「ごめんごめん、困らせようとかじゃなくて！

廉の話するAはいつも以上に表情豊かでキラキラしてたから

そうかな、ってどっかで思っててん」


「う、うん、」


「やっぱりかー！

うん、でもちゃんと言ってくれてありがとう。

あいつめちゃくちゃいいやつやし

Aのことちゃんと大切にしてくれるから」


「廉くん、好きな人いるみたいだよ？

廉くんに想われる人って素敵な人なんだろうなぁ！

でも、後悔したくないから

気持ちはちゃんと伝えようと思ってる」


「Aって高校の時から変わってへんな、

相変わらずの鈍感さやわ」







私が鈍感？


ちょっとよくわからないけど


紫耀が気持ちを伝えてくれたおかげで


私は廉くんのことが好きなんだと気づけた







「紫耀、ありがとね！」


「全然！

これからもいちばんの男友達は俺やからな？」


「もちろんだよ

定期的に居酒屋さん行こうね！」







高校時代の紫耀への片思いは


苦い思い出として私の中に残っていたけど


こうしてまた会えて最高の友達になれた







人と人の巡り合わせは不思議だと


昔、小さい頃におばあちゃんがよく言っていた







その頃はよくわからなかったけど


今ではその言葉の意味がよくわかる







「これからもよろしくね！」







紫耀に力をもらって当たって砕ける準備はできた







よしっ！ちゃんと廉くんに想いを伝えよう







夜空を見上げると


私の決意を後押ししてくれるかのように


まんまるな満月と無数の星が浮かんでいた







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