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願えば早く着くなんてことはないけれど
電車は当たりまえに前に進むもので、
やっと学校の最寄り駅に着いた
電車から降りた途端
廉くんは日直だということを忘れていたらしく
風のように走って行ってしまった
私にとって飯島さんと2人きりというのは
とても危機的状況だけど、
この状況を切り抜けられる術なんて
もちろん存在しない。
何か言われるんじゃないかと
ハラハラドキドキしていると
案の定、飯島さんは口を開いた
「私の邪魔しないでって言ったよね?」
「聞こえてなかったなんて言わせない」
「もう1回聞くけど、
Aちゃんは廉のこと、どう思ってるの?」
鋭い目つき
前よりもまた数トーン低い声
この前みたいに「どうって言われても…」
なんて言って走り去れば、
質問の返答から逃れられるのかもしれない。
だけど、
廉くんのことが好きだという気持ちは
蓋をしようと決めたって
そんなの無駄と言わんばかりに溢れ出てきてしまう
逃げていたって何も始まらない
強くなれ、私。
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「っわ、私は………」
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「廉くんのことが好きです」
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りの(プロフ) - サイコーでした!毎週楽しみでした!! (2018年12月20日 2時) (レス) id: 8855d3ffa3 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています!神宮寺くんを出して欲しいです! (2018年12月14日 23時) (レス) id: 6a55b646dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エチレン | 作成日時:2018年11月26日 8時