#過去 ページ11
_____あの日を境に僕たちの生活は変わった。
侑李side
もう20時を回るというのに宏兄が仕事場から帰ってこない。
殺風景なリビングの奥からはりょうちゃんの人工呼吸器の無機質な音が聞こえる。
りょうちゃんのベッドに近寄って、頭を撫ぜるとりょうちゃんの目がうっすらと開いた。
「りょうちゃん、寂しいね」
思わずそう声をかけたけど瞬時に現実に戻される。
精気の宿っていない瞳は天井を見つめるだけで手も握り返してくれることはない。
この頃の僕は僕がりょうちゃんにご飯を食べさせてあげたりすることは宏兄に止められていたからできなかった。
そういう状況なのでりょうちゃんに悪いな、とおもって宏兄が家に帰ってりょうちゃんもご飯を食べるときに一緒に食べるようにしていた。
22時を少し過ぎた頃宏兄が帰ってきた。
「おかえり」
そう声をかけたけど宏兄は疲れているのか返事はなかった。
宏兄は洗面所から戻ってくるとソファに乱暴に鞄を放り投げた。
「はぁ、ここからは涼介の世話か」
宏兄が大きなため息をつく。
宏兄が仕事で忙しいのはわかるけれどりょうちゃんが聞こえてなくてもそんなこと言うべきじゃないっていうのは15歳の僕でもしっかりわかっていた。
でもいちいち喧嘩したくなくて宏兄がりょうちゃんの愚痴を言う時はいつも黙ることにしていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 219人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りせ - お気に入りのお話です！続きが気になります… (2020年7月5日 17時) (
レス) id: 34756f7837 (このIDを非表示/違反報告)
にぃな - とても面白いです！続き楽しみにしてます！ (2020年4月25日 3時) (レス) id: 0e464bd2c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんず | 作成日時：2020年4月4日 23時
