あの人の笑顔見たら頑張れる ページ8
A「おはようございます。」
みんな「おはようございます。」
朝、厨房に来たらみんなが勢ぞろい。
友近さんと山本さんはフロアのモップがけや窓拭きで大忙し。
石橋「はい、Aシェフは皿洗いから頼みますよ。」
A「わかりました。」
私がお皿洗いに取り掛かると石橋さんからまた依頼が来た。
石「それ終わったら玉ねぎのみじん切りお願いね。これスープのやつだから。」
流しの横に大量の玉ねぎの乗ったトレイが運ばれてきた。
どんっ！
A「うわぁ、すごい量。」
石「はい、口を動かさないで手を動かす！」
A「すみません。」
フライパンはオリーブ油でギトギトに。これ落ちるのかな？と私が一生懸命洗っていると馬場シェフが通りかかった。
馬場「ちょっと上の棚開きたいんですみません。」
A「ごめんなさい。」
馬「ありがとうございます。それにしても新人なのによく頑張ってるよね。前にうちでアルバイトしてた大学生の子なんか弱音吐いてすぐやめちゃったもん。」
A「そうなんですか。私は頑張らなきゃ。」
馬「ほら、うちのレストランで女性って言ったらAさんと友近さんくらいだから女性がいた方が華やかでいいよね。」
A「ありがとうございます。昨日の休憩中にここのメニュー表見させてもらったんですけどスィーツも美味しそうですよね。」
馬「それは俺が作ってるから。」
すると馬場シェフが私の耳元でこう言った。
馬場今度、材料余ってたら作ってやるよ。楽しみにしてて。
A「本当ですか？嬉しい、あっいや。余ってたらでいいです。」
石「Aさん皿洗い終わりましたか？」
A「あともうちょっとです。」
さっき耳元で囁かれたときに背中がゾクっとしてしまった。
はぁ〜馬場シェフの笑顔ってみんなを明るくする神様みたい・・・あの笑顔見れたんだから今日一日頑張るぞー！
私お皿を洗い終わって玉ねぎのみじん切りを始めた。
うっ、うっ目にしみる！
石「おい、Aシェフ均一に切ってくださいよ。形がバラバラだと見た目もよくないですからね。」
A「わかりました。」
私は新人なのでまだメニューを覚えたり、雑用したり、少しずつ料理のレパートリー増やしたりで今は精一杯だけど石橋さんに認めてもらえるように頑張らなくっちゃ。
こうして私の1日は始まったが、これはまだ始まりにしか過ぎないのだ。
by kurumikan
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作者名：アレグレット・マホーンズ／なるこ x他1人 | 作成日時：2019年9月29日 13時
