いつもの日々 ページ5
結婚式の準備の合間にいつもの日々がやってくる。
結婚してから一緒に住んでるので2人で出かけるにしても待ち合わせたりすることがなくなった。それはそれでちと寂しい気もするけども。
あっ、そういや俺も友達や会社の人から結婚祝い金とかお祝いの品とかもらったんだぜ。今更の報告だけども。
この日は2人で中村キース・ヘリングの美術館に来ていた。
俺はリンリンと知り合う前はキース・ヘリングさんのことを全く知らなかったけどリンリンと出会ってから興味が湧いて少し調べたことがある。
確かに見かけは誰でも真似できそうな人のシルエットの形なんだろうがこれを生み出すのに色々あったんだなと思うと感慨深い。
美術館の中に入って受付を済ませると、さすがだなと思ったことがあった。
受付の人がみさのことを知っており料理屋で言う常連さんごとくの対応だったからだ。
「さすがだな。常連さんだと違うなー。」
「ふふふっ、だって多い時は月1で通ってたんだもん。」
「月1って・・・塾かよ!?wwおっと美術館だから静かにしないとな。」
笑いそうになるのを堪えて2人で手を繋ぎながら色々と見て回った。
「グッズもたくさんあるんだよ。後で見に行っていい?」
「いいよ。」
みさの推し様とだけあってどの絵画や作品も興味深そうに見ておりキラキラと輝く目柄物語っていた。
みさがグッズを買った後に美術館を出てランチを食べに行った。そこでもキース・ヘリングさんの話をしてくれるみさ。
BiSH時代には考えられないような軽快な彼女のトークに圧倒されてしまった。
あれ?無口担当じゃなかったっけ?なんて思うほどだ。
「あっそうだ!みさにお願いがあるんだけどいい?」
俺はふと思い出して聞いてみた。
「お願いって何?」
「実はさ、俺の父方のじーちゃんが老人施設にいるんだけど俺がBiSHを紹介したらハマっちゃってさ。本当は解散ライブ行きたかったらしいんだけどコロナのこともそうだし足腰も悪くて車椅子だから行けなかったのが悔しかったみたいで。今度、じーちゃんの誕生日あるからBiSHの東京ドーム公演のDVDを送ろうと思っててさ。そこでお願いなんだけど一緒に来てくれないかな?施設の人に行って面会できるかどうか聞いてみるから。もし、面会できたらリンリンとして1曲じーちゃんのために歌ってくれない?」
「わかった。いいよ。それでおじいさんの誕生日っていつ?」
みさが快く引き受けてくれて感謝の気持ちでいっぱいだ。
待ってろよじーちゃん!
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作者名:kurumikan212 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kurumikan29/
作成日時:2024年1月9日 14時