愛してるって言って4 ページ29
MISATO side
たくさんの人混みの中、手を繋いで歩いていると誰かに見られてる気がして気になってしまった。
「どうした?なんか気になるの?」
Aにそう聞かれてしどろもどろに言う。
「なんか、誰かに見られてるのかなーって?」
「いやいや、ストーカーじゃあるまいしwww気にしすぎだって。大丈夫だよ。そんなに気になるならここで抱きしめてあげましょうか?」
「でも・・・。」
「顔を隠してれば恥ずかしくないよ。やってみない?」
Aから提案されて戸惑う私。
これでいいの?
これが正解なの?
「不安なら俺のムネ貸してあげるよ?」
「う・・・ん。」
この時の私は否定的な意見ではなく前に進まなきゃ冒険してみなきゃが勝ってしまって頷いた。
「あったかい。」
Aの上半身に顔を埋めているとなんだかあったかくてふわふわして周りなんかもうどうでも良くなっていた。
私が気にしすぎただけなんだよね?そう自分に言い聞かせて。
でもやっぱり、花火を見たすぎて顔を上げると綺麗な花火が見事に咲いていた。
「なぁ、みさ?俺達こんなに続いたじゃんか?すごくね?」
「そうだね。」
2人で花火を見ながら話す。
「花火大会に誘った時にふと聴きたい曲があったんだよ。なんだと思う?」
「うーん?夏だから湘南乃風?あっいや・・・BEGIN?」
「あっちごいまーす。"愛してるって言ってくれ"でしたー。」
Aに言われて思い出す。
「実は私もその曲が頭の中で流れてて。」
「おっ奇遇じゃん。なんかこの曲いいよね。王道アイドルみたいな曲でさ。だから俺決めたんだ。ちゃんと言ってなかったからこの日に言おうって。」
「えっ?」
「みさと、愛してるよ。」
・・・・・・。
人混みの中、はっきりと言われた一言。
ずっと待ってたでいいんだよね?色んなこと考えすぎて頭の中がお花畑になってちょっとふらついた私を抱き抱えてくれる彼。
「あっ、ごめんなさい。」
「みさ、大丈夫?」
「はずかしっ////」
恥ずかしすぎて手で顔を隠していたらAに取られて更に顔の赤みが増す。
「見ないでよぉー////」
「そりゃー見るでしょー。だって俺の推しが1番可愛いもん。」
「そんなこと言われたら・・・わたしっどうしていいかわかんないよぉー///」
「急にごめん。でもちゃんと言ってなかったから伝えなきゃと思ってさ。伝わった?」
「うん、十分過ぎるくらいに伝わってるよ。もうちょっと冒険していい?」
私は背伸びして目をつむってみた。
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作者名:kurumikan212 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kurumikan29/
作成日時:2023年11月10日 23時