推し恋〜波瀾万丈恋物語2 (ページ28)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:353 hit

愛してるって言って3 ページ28

MISATO side

隅田川花火大会が行われるこの日。

よし！浴衣を着てかんざしを刺してみた。

ふふふっ、原宿デートから一変して髪型はボブ風に落ち着いた。

真っ白な浴衣に金魚柄なんてベタよね〜。

鏡の前でセット終わりふと頭の中に流れるのはBiSH時代に歌ったあの曲。

愛してると言ってくれ。

渋谷に行きたい〜まだ彼とは行ったことないわ

手繋ぎデートしたい〜これは何回もしたわ

彼でいいのか？
彼でいのかい？
周りのおせっかいたち雑音

アンチが酷かった日が続き、心が病んでいた時期もあった。

でも負けなかったのは彼がいたから。彼のおかげでここまで来ることができた。

恋とか愛とかわからなかった自分にたくさん教えてくれた。愛って素晴らしいよってこと。

今じゃデートの後、手を振り別れる時・・・・少し寂しいなって思う自分に驚く。

愛してるって言って
愛してるって言って

手と手をとりあって
笑って・・・

なんて歌ったなぁ。懐かしい。

Aが言った。

この曲みたいに、あなたしか見えてないんだよって。
正直に嬉しかった。

そして電車で目的地に向かう。人の目が気になり何故か必死にバッグで顔を隠していた。

そそくさと花火大会に出向くとAがいた。

「今、来たところだよ。ってか浴衣もかんざしも似合ってるね。」
なんて言われて少し恥ずかしかった。

Aが手を取ってくれててくてく歩いた。

「Aも浴衣似合ってるね。」
私は照れ臭くなりながら言った。
「そうか？ありがとう。いやさ、さすが元アイドルだよね。何着ても似合うよねー。」
「そうかな？照れるな。」
「出店が見えてきたぜ。何か買おうぜ。」

浴衣にマスクしながら歩くなんてさすが今時だよね。でも、これも良き思い出に。
「クレープ食べたいけど・・・半分こにしない？」
私の提案に彼が頷き、クレープを買って2人で食べた。

マスクを外してクレープを食べながら歩いているとアナウンスが鳴って花火の音が聞こえた。
「おおー花火始まったね。」

夜空に浮かぶ大輪の花が美しく何度も彩っていた。花火ってなんでこんなに美しいんだろうか？

そして私の隣を歩く彼の横顔がいつになくかっこよく見えた。花火のせい？