【合同作品】あなたも介護士に！？

オープンしてからの日々 ページ35

やわらか風情という老人ホームの施設がオープンしてから3年が経った。

最初は利用者様も10人程度だったが一気に増えて27人となった。

ここには素敵な個性あふれる利用者様がのんびり暮らしている。職員はそのサポートに回ったり、一緒に頑張ったりして日々をプラスに変えていく・・・。


春風若菜はここの施設の3階の主任として奮起していた。

この日はA勤なので主にパソコン作業だ。

しかしホールは忙しくバタバタしている。


「草薙さん！318号室のコール対応お願いします。あっ、渡辺さんっ！！！他の人の部屋のドアは開けないでくださいっ！！！」
私はパソコンに業務内容を打ち込みつつ主任の草薙凪さんに促す。

「渡辺さん！ダメですよ。席に着いてください。」
草薙さんが渡辺さんをホールにお連れして頭を下げてコール対応に向かった。

遅番が来ればマシな方だけど午前中はとにかく忙しい。

看護さんはスタッフルームの机で薬の仕分けをやってるし、私は花村様のテーブルでパソコン業務に徹していた。

しかし、渡辺さんに気を紛らわせてもらうべくスタッフルームに出向いて計算ドリルのコピーした紙と鉛筆を持ってきた。

「渡辺さん！計算やりましょうか？終わったら見てあげますね。」
私は渡辺さんのテーブルに3枚の計算用紙を渡した。
渡辺さんのテーブルは渡辺さんも入れて3人なのだが後の2人は食事の時しか来ないため実質1人みたいなもん。

渡辺さんがこのフロアの中で1番落ち着かないから前の席にしてあげたいけど他の人も優先してるので仕方なく。

そうこうしてるうちにお昼の時間になってきた。
午前中は早番の人が1人で車椅子の方をお連れすることもあるけれど、看護さんにフロアを見てもらえればA勤もフロア周りの方ならお連れすることができる。

自立の方には声かけを行ってもらって旗本さんご夫婦は旦那さんに奥様の車椅子を押してもらえるのでありがたい。

「それではみなさん、食前体操いきますよ！まずは足踏みからです。」

食前体操は早番さんがやってくださり、ラジオ体操みたいな感じで行う。足踏みや、腕を回したり首を回したり、腕を上げたりする。

そして食前体操が終わってテレビをつけてしばらくしていると厨房よりお昼のカートが届く。

遅番さんも出勤したタイミングで一緒に食事を配ってくれる。食事はお盆に名前入りプレートと共に乗っているので運びやすい。

そしてお昼は職員も利用者様と一緒にお昼ご飯だ。

「それではいただきまーす。」

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