第110話 ページ7
夜会の終盤、ダンスパーティーも終わり、お開きになる頃
私たちもそろそろ部屋へ戻ろうかと話していた頃だった
｢おや、A様、楽しんでいただけましたか｣
話し掛けてきたのはクロードさんだった
さっきのワインの事が頭を過ぎる
｢……はい、ダンスを踊ったのも久しぶりで。
では、ルインどのにおやすみなさい、とお伝え下さい｣
｢はい、それではまた明日｣
お辞儀をして私たちを見送るクロードさんの目には怪しい光が見えた
何だか怖くなり、私はオビの手を握り、早足に部屋へと戻った
｢A嬢、大丈夫？｣
｢うん、大丈夫……｣
部屋に戻るなり、ベッドに座り込んでしまった私にオビは心配そうに声をかけてくれる
俯きながら、必死に考えを巡らせた
今日の出来事で、クロードさんは私たちを狙ってるのだろう、ということは何となく、わかった
でも、狙われる理由が分からない
私の家に行ったとき、襲ってきた賊もクロードさんの仕業なのか
“お嬢ちゃん。俺達の雇い主は相当あんたに執着してた”
賊が言っていた言葉
あれもクロードさんの仕業なのだとしたら、何故クロードさんは私に執着するのか
私とは、初めて会った、何の関わりも無いはずなのに……
｢クラウド……｣
｢え？｣
｢……オビ、わかったかもしれない。……ううん、きっとそう！
あの人は、クロードさんじゃなくて、クラウドさんなのよ！｣
｢……じゃあ、聞き間違いってことかい？
でも、クロードとクラウド、確かに似てはいるけど、あの人ははっきり、
クロード、って言ったよ？多少、濁りはあったけど……｣
｢そうなの、その濁り。私は知らないから、特に気にも留めなかったけど、
私の母様の言葉にもね、そんな風な濁りが時々出ていたの。
きっと、あの森にある、独特の発音なんじゃないかな｣
｢へぇ。……でもさ、あの人がそのクラウドさんだったとして、それでA嬢
との関係があるのかい？｣
｢母様の、日記｣
｢あの、家で見つけたやつ？｣
｢そう。それにね、何度か出てきてたの。クラウドさんって人が。
昔から仲がよかったらしいんだけど、元気にしてるかな、とか、そんな文章。
どんな人だろうって気になってたんだけどさ、もしかしたら……｣
｢あの人かもしれないって事だね｣
｢うん｣
でも、本当に分からなかった
母様と仲がよかったなら、何故私を攫おうとしたのかが……
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ななき(プロフ) - 続きが気になり死にそうです！よろしくお願いします！まじで大好きです！ (2022年7月8日 17時) (
レス) @page21 id: ea7be47ac2 (このIDを非表示/違反報告)
ぺこぱ(プロフ) - じっくりと読ませていただきました。これからの展開がとても気になります！！お忙しいとは思いますが、更新お待ちしています！！ (2020年9月16日 5時) (レス) id: 7095aaaef1 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - あざかさん» ありがとうございます。長い間の更新停止、すみませんでした。続きも楽しんでいただけるよう、精一杯書かせていただきます！ (2018年8月29日 22時) (レス) id: cda1da55b6 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ヒロネコさん» 更新が遅くなり、本当に申し訳ないです。今日からまた、ゆっくりと再会していきますので、お楽しみいただければ幸いです。 (2018年8月29日 22時) (レス) id: cda1da55b6 (このIDを非表示/違反報告)
あざか(プロフ) - すごく面白いです！！！続き、楽しみに待ってます！頑張ってください！！ (2018年5月6日 3時) (レス) id: b72f39f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くるみ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年8月21日 18時
