第116話 ページ13
｢俺は、あんたらに感謝してるんだ。
主にも、A嬢にも。勿論、木々嬢やミツヒデさんやお嬢さんにもね。
こんな、汚れた俺を傍に置いてくれる、あんたらに｣
｢私も、オビにはずっと感謝してるよ。
隣に居てくれて、ううん、隣に居させてくれた。
ずっと励まして、支えてくれたオビに｣
私の言葉にオビははにかむように笑った
｢……不老不死。……俺は正直、どうだってよかった。その辺りで野垂れ死んだってさ。
でも、その魔女の血を求める貴族は多かった。
皆、意地汚くて死に物狂いで探してたよ｣
｢……なら、その貴族たちが情報交換に出会う一番大きな場が……夜会会場だった、
ということですか｣
｢そう。そこで特徴が一致するA嬢が居れば、貴族は狙って来る……ってわけ。
何がきっかけか、どこの夜会からか、それは分からないけど、途端に王城主催や
貴族たちの夜会に忍び込んで、娘を捕らえろって依頼が増えたからね｣
｢……なら、なんでイザナ殿下は、私を夜会の付き人に？｣
｢その噂を耳にしてなかった……という線もありますが、イザナ殿下の耳に入らない、
ということは無いのではないでしょうか｣
｢兄殿下はA嬢の事情を知ってた。……けど、連れてったんだよね？｣
私は小さく頷いた
｢じゃあ、あえてそうした……とか。
もし、A嬢が“大地の魔女”だったとしても、賊や貴族からしたら、
一国の第一王子の、まあ、言うなれば所有物であるA嬢に手出しはしにくい。
それ以前に、そんな賊に狙われる危険を伴う者が王子の傍にあるか……
って考える人の裏をかいた……とか｣
｢な、なるほど……それは、確かに有り得るかもしれませんね……｣
そうだとすれば、イザナ殿下は、本当に私の事を考えて今まで傍に置いてくださったのだ
そんなことを思うと嬉しくて、でも、何も知らずに育った自分が情けなくて
なんとも言えない、もやもやとした思いが心に残る
｢ですが、もしそれらの全てが事実だとすれば、A様を狙っていた者たち……
特に、権力、金を持つ貴族たちは今も狙っているかもしれない、ということですね｣
｢……恐らくは｣
しばらく、沈黙が続いた
皆、どうすればいいのか分からなかったのだ
この“お見合い”として設けられた場には、幾人もの貴族が出入りしていたから
的を絞ることもできないこの問題に、私たちはただ、頭を抱えることしか出来なかった
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ななき(プロフ) - 続きが気になり死にそうです！よろしくお願いします！まじで大好きです！ (2022年7月8日 17時) (
レス) @page21 id: ea7be47ac2 (このIDを非表示/違反報告)
ぺこぱ(プロフ) - じっくりと読ませていただきました。これからの展開がとても気になります！！お忙しいとは思いますが、更新お待ちしています！！ (2020年9月16日 5時) (レス) id: 7095aaaef1 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - あざかさん» ありがとうございます。長い間の更新停止、すみませんでした。続きも楽しんでいただけるよう、精一杯書かせていただきます！ (2018年8月29日 22時) (レス) id: cda1da55b6 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ヒロネコさん» 更新が遅くなり、本当に申し訳ないです。今日からまた、ゆっくりと再会していきますので、お楽しみいただければ幸いです。 (2018年8月29日 22時) (レス) id: cda1da55b6 (このIDを非表示/違反報告)
あざか(プロフ) - すごく面白いです！！！続き、楽しみに待ってます！頑張ってください！！ (2018年5月6日 3時) (レス) id: b72f39f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くるみ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年8月21日 18時
