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◆兄の焦燥 2 ページ49

エドガー「手がかりは……。手がかりは、見つかったのか。」



ネッソ「……はい。飛び降りた先の、着地地点だと思われる場所は確認できました。そこに(人1)がいないということは、生きているということです。(人1)は生きています。そして、我々が捜し当てるのを、待っているはずです。」



(人1)……。



父上への報告のはずが、途中からまるで自分自身へと言い聞かせるような響きになってしまっていた。



(人1)は、生きている。



それは、俺の願望だけでなく、現場で下した判断だ。塔から飛び降りた二人が着地したと思われる地点は、下生えの木々が大きく踏み荒らされていたが……。



それ以外には何も変わったところはなかった。血の跡もなかった。見た目だけでなく、後から駆けつけたパールとリッチーにも確かめてもらったが、血が流れた痕跡はなかった。あの男は、(人1)を連れて森の中に姿を消したのだ。



何が……。いったい何が目的なんだ。



一人で逃げればいいところで、わざわざ(人1)を攫ったことからも、奴がただの物取りでないことはわかる。



それ以前の問題として、あの男は狼種だった。見つかれば殺される可能性が高いとわかっているはずなのに、あの男はここに忍び込んできた。そして、(人1)を攫って逃げた。



(人1)……。



攫われてしまった妹の名を心の中で呟いて、拳を握り固める。本当ならば、今頃俺は久しぶりの家族の再会を楽しんでいるはずだった。成人し、騎士としてウェブリン王国に仕えるようになった俺は、今年の春から北の街、ビアレスに派遣されていたのだ。



それがどうしてこうなった……?

◆鳥籠姫 1→←◆兄の焦燥 1



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フフカ - はい!まってます今日もご苦労様でした。(^∀^#← (2016年4月13日 5時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます! そうです、前とは少し内容を変えて書いてみました!! よくわかりましたね(^○^) これからも頑張りますので楽しみにしていてください!!! (2016年4月12日 22時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - こんなに遅くからご苦労様です なんとなく今日も来ちゃいました!似ている小説だけど前とは違うので読んでます前より詳しく書いてあるのでとても分かりやすいです(#°∀°♭ 明日もまってまーす(笑) (2016年4月11日 22時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます! 頑張ります(^○^) (2016年4月10日 20時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - 分かりましたありがとうございます誰オチにするか決まったら教えてください これからも毎日応援してます!!ガンバデス (2016年4月10日 19時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヒメア | 作成日時:2016年3月9日 20時

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