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◆貴族のお嬢様 3 ページ45

……まるで、警戒心の強い動物みたい。



昔、一度ザラが怪我をした子猫を一晩だけ塔で世話をしていたのを見たことがある。庭に迷い込んだのを、保護したのだと言っていた。



私はそのまま飼いたいと言ったのだけれど……。その猫はすぐに出て行ってしまった。
その目に、よく似ている。試すように、見抜くように、じっと私を見つめている。



目を、そらせない。



ここで目をそらしたら、何かよくわからないものに負けるような気がした。



……何に、なんて自分でもわからないけど。



?「……チッ。」



しばらく見つめ合った結果、先に視線をそらしたのは彼のほうだった。



?「……変な女。」



『……そう、かしら?』



?「そうだ。狼種を、怖がらないなんて。……いや、そうでもないか。」



『え?』



?「ある意味。オマエは、正しいのかもしれない。世間知らずな、貴族のお嬢様として。」



『……っ。』



馬鹿にするような彼の言葉に、チクリと胸が痛んだ。いや、違う。痛むというよりも……、ムカッとした。



私だって、好きで箱入りなわけじゃないのに……。



好きで塔に閉じこもっているわけじゃない。好きで、世間知らずなわけじゃない。



……って、今私彼の言葉にいらいらした?



そうだ。腹を立てて、言い返そうとした。



……新鮮だわ。



誰かに腹を立てるなんて、どれくらいぶりだろう。塔の中での生活は、とてもとても穏やかで……。誰かを怒ったり、誰かに腹を立てたりするようなことがほとんどなかったのだ。



たまに自分の置かれている環境に対して、ふつふつと感じるものがあったとしても……。
それはもっと、諦めまじりのものだった。



そう……、全部がまったりとしていたのよね。



時間だけが過ぎていく、というような。穏やかで優しい時間。たまに何か困ったことがあっても、「ああ、困ったな」と思う程度で終わる。それ以上の不自由はなかった。



そう考えると……、誰かの言葉に腹を立てたりするのも、悪くはないのかも。



我ながらヘンな話だ。



?「……? 何一人で百面相しているんだ。」



『ふふっ。ちょっとね。』



?「……やっぱりオマエ、変だ。」



『そうかしら?』



?「……ああ。」

◆塔の外の世界の人 1→←◆貴族のお嬢様 2



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フフカ - はい!まってます今日もご苦労様でした。(^∀^#← (2016年4月13日 5時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます! そうです、前とは少し内容を変えて書いてみました!! よくわかりましたね(^○^) これからも頑張りますので楽しみにしていてください!!! (2016年4月12日 22時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - こんなに遅くからご苦労様です なんとなく今日も来ちゃいました!似ている小説だけど前とは違うので読んでます前より詳しく書いてあるのでとても分かりやすいです(#°∀°♭ 明日もまってまーす(笑) (2016年4月11日 22時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます! 頑張ります(^○^) (2016年4月10日 20時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - 分かりましたありがとうございます誰オチにするか決まったら教えてください これからも毎日応援してます!!ガンバデス (2016年4月10日 19時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヒメア | 作成日時:2016年3月9日 20時

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