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◆狼種と呪い 2 ページ38

彼が、ガーランド家への侵入者であり、私を城から攫った人間だとは認識している。だが、それでも。手を触れるのを躊躇うほどに恐ろしい存在だとは、思えないでいるのだ。



それは狼種に対しても同様だ。世間的にゾディバという疫病の原因が狼種の呪いであるかのように言われているが、私にはそれがピンと来ない。



呪いで病気になるなら、私なんて年がら年中呪われてることになってしまうもの。



元々病弱で、病気に慣れ親しんでいるからこそ、その噂を信じる気になれない、というべきだろうか。
私が病気になるのは、私の体が弱いからだ。その病気が治るのは呪いを解いたからではなく、ザラやその他のメイドさんの献身的な世話のおかげだ。



病気の原因を呪いなんてもののせいにしてしまったならば、ロベイラ種である私なんて年がら年中呪われてることになる。



そんなの、嫌だわ……。



病気は、正しい治療さえ出来れば治るもの。私はそう信じていたい。だから、私は彼へと手を差し出した。



『お願い。』



?「……わかった。」



もう一度頼むと、彼はようやく私の手を取ってくれた。おそるおそるというように触れ合う手。



?「……ッ。」



触れ合った指先、一瞬驚いたように彼の指先がビクリと跳ねた。



『……? どうしたの?』



?「……何でもない。ひとに……、誰かに触るのが、随分久しぶりだと思っただけだ。」



『ふふっ。変なことを言うのね。あなた、さっきから私のこと抱きかかえたり、引っ張り回したりしていたじゃない。』



?「あれは……。そういうことを考えてる余裕なんか、なかった。」



『それは確かに。』



言葉も、同じなのかしら。



緊急事態じゃなくなったからこそ、彼は私という存在に戸惑い、扱いを決めかねているのだろうか。



それなら、最初から一人で逃げたらいいのに……。



?「…………。」



そんな会話の合間に、彼はぐいと手を引いて私を茂みの中から引き上げてくれた。



『ありがとう。おかげで、やっと出ることが出来たわ。』



木々にひっかけ、微妙にほつれたドレスの裾を軽く叩く。



『それで……、これからどうするつもりなの? 塔から森まで飛んだのだから、時間は稼げたと思うんだけど……。』



もしかしたら、最初からそのつもりだったのかしら……。

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フフカ - はい!まってます今日もご苦労様でした。(^∀^#← (2016年4月13日 5時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます! そうです、前とは少し内容を変えて書いてみました!! よくわかりましたね(^○^) これからも頑張りますので楽しみにしていてください!!! (2016年4月12日 22時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - こんなに遅くからご苦労様です なんとなく今日も来ちゃいました!似ている小説だけど前とは違うので読んでます前より詳しく書いてあるのでとても分かりやすいです(#°∀°♭ 明日もまってまーす(笑) (2016年4月11日 22時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます! 頑張ります(^○^) (2016年4月10日 20時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - 分かりましたありがとうございます誰オチにするか決まったら教えてください これからも毎日応援してます!!ガンバデス (2016年4月10日 19時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヒメア | 作成日時:2016年3月9日 20時

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