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◆狼種と呪い 1 ページ37

『あなたに巻き込まれなければ、こんな目にあってなかったっていうのも事実だけど……。あなたが、私を傷つけないように庇ってくれたっていうのも事実だわ。』



それなら、お礼を言ったとしても、別に問題はないだろう。



『…………。』



そんな話をしながら、彼を倣って茂みから脱出しようとするものの、うまくいかない。ドレスの裾やら、髪の毛やらが茂みに引っかかってしまうのだ。



『もう……っ!』



力づくで引っ張ると、布越しにもチクチクと枝葉が肌に刺さって痛い。



?「…………。」



『……な、なに?』



……彼、いじわるだわ。



私が茂みから脱出しようともがいているのを知りながら、彼はそれを見下ろしているだけだ。手を貸そうとすらしてくれない。



でも、放っておくつもりもなさそう……。



放っておくつもりならば、彼はもうこの場を後にしているだろう。



それなら、やっぱり意地が悪いわ……。



私が茂みから抜け出せずに困っているのを、ただただ眺めて待っている。



『……ねえ。』



?「……何だ。」



『ちょっと、手を貸してくれない?』



?「は?」



……なによ。そんなこと考えてもなかった、みたいな顔して。



彼は、驚いたように目を瞑って私を凝視している。仰向けにすっぽりと茂みにハマり、思うように身動きがとれないでいる私は、さぞ間が抜けて見えるだろう。



こんなみっともない格好、ずっと見られてるなんて本当に恥ずかしいんだから……っ!



『だから……、私一人じゃ抜け出せそうにないから、あなたに手伝ってほしいの。』



?「…………。」



『……?』



彼は何かもの言いたげに唇を動かすが、それはなかなか言葉にならない。言うべき言葉を探すような間。しばらくの沈黙の後、彼が押し出したのは、



?「いいのか。」



そんなぎこちない言葉だった。



?「オレは。……狼種だ。」



『……?』



……それがどうしたの?



?「……オレは。狼種だ。それでもいいのか。」



ぎこちなく、彼が繰り返す。先ほどまでは、追手に追われているという緊張状態にあったせいだとばかり思っていたが……。元々あまり話すのは得意ではないのかもしれない。



『…………。』



狼種だけど、か……。そんなの当然決まっている。



『ぜひ、お願いするわ。私一人じゃ、どうにも抜け出せそうにないの。お願い。手を引いてくれないかしら?』



私はそっと彼へと手を伸ばした。

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フフカ - はい!まってます今日もご苦労様でした。(^∀^#← (2016年4月13日 5時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます! そうです、前とは少し内容を変えて書いてみました!! よくわかりましたね(^○^) これからも頑張りますので楽しみにしていてください!!! (2016年4月12日 22時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - こんなに遅くからご苦労様です なんとなく今日も来ちゃいました!似ている小説だけど前とは違うので読んでます前より詳しく書いてあるのでとても分かりやすいです(#°∀°♭ 明日もまってまーす(笑) (2016年4月11日 22時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます! 頑張ります(^○^) (2016年4月10日 20時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - 分かりましたありがとうございます誰オチにするか決まったら教えてください これからも毎日応援してます!!ガンバデス (2016年4月10日 19時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヒメア | 作成日時:2016年3月9日 20時

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