◆邂逅 2 ページ23
「むむむ……。そういう作戦だったら、捜しにいくと負けちゃうよね。」
「リッチー、おやつ抜きはやだよ。」
「ぼくだって、やだよ。……それじゃあ、もうちょっとまってみようか。」
「根くらべだね!」
……うん。
二人はまだ何が起こっているのかを把握していないようだ。私が二人をひっかけるために、隠れている可能性を疑っているらしい。
?「…………。…………ここにメヨーヨとオージェはいるのか?」
メヨーヨとオージェ?
?「…………答えろ!」
『き、来てないわ……!』
彼らはきっと誕生日パーティーには姿を現すのだろう。だが、また生憎と到着はしていなかった。
?「…………チッ。」
ちらりと視線を向けた先、侵入者である彼はこの先どうしたものか迷っているようだった。
やっぱり泥棒かしら……。
ガーランド家は、ウェブリンでも三本の指に入る名家だ。その財を狙って泥棒が侵入してきたとしてもおかしくはない。特に今日は朝から、パーティーのための準備に使用人たちもばたばたしていたはずだ。そういうところが、隙があるように見えたのかもしれない。
「……ぼく、まつのって好きじゃないな。ただ座ってるだけなんて、退屈だよ。」
「リッチーも退屈。……(人1)ちゃん、捜しに行っちゃおうか?」
「もし(人1)ちゃんがぼくたちを待ち構えていたとしても、走って逃げたら平気だよ。」
「そうだよね! リッチーたちの方が、(人1)ちゃんより足速いもん! 走って逃げたら、捕まらないよね!」
……いつの間にかくれんぼが鬼ごっこになったのかしら?
パールとリッチーはおとなしく待っていることに飽きてしまったようだった。二人の足音が、少しずつ近づいてくる。
?「…………。」
次第に近づいてくる二人の気配に、彼は忌々しげに息を吐いたようだった。退路を探すように、無造作に茂みへと手をかける。
?「……ッ!」
『……あ。』
茂みにかけた彼の手首から、つっと赤い滴が落ちた。生垣のトゲで、切ってしまったのだ。彼は一度口元をしかめたものの、気にした様子も見せずに、その傷ついた部分をもう一方の手で握りこむ。
『……ねえ、ちょっと待って。』
?「……なんだ。」
つい咄嗟に、そう声をかけてしまった。
侵入者相手に何やってるのかと思わなくもないんだけど……。
どうしてか、放っておけないと感じた。
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フフカ - はい!まってます今日もご苦労様でした。(^∀^#← (2016年4月13日 5時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます! そうです、前とは少し内容を変えて書いてみました!! よくわかりましたね(^○^) これからも頑張りますので楽しみにしていてください!!! (2016年4月12日 22時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - こんなに遅くからご苦労様です なんとなく今日も来ちゃいました!似ている小説だけど前とは違うので読んでます前より詳しく書いてあるのでとても分かりやすいです(#°∀°♭ 明日もまってまーす(笑) (2016年4月11日 22時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます! 頑張ります(^○^) (2016年4月10日 20時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - 分かりましたありがとうございます誰オチにするか決まったら教えてください これからも毎日応援してます!!ガンバデス (2016年4月10日 19時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヒメア | 作成日時:2016年3月9日 20時